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ーーーー???
緑豊かな森の中に、庭付きの大きな屋敷があった。
豪華な屋敷を、色彩豊かな花畑が囲う。
花の中にいる鳥はさえずり、青空に浮かぶ雲はゆっくりと流れた。
ーーー・・・・
暖かな陽の光は、
その屋敷を鮮やかに照らす。
茶色い格子窓からもその陽はこぼれ落ち、部屋の中を明るく灯した。
「…………………。」
大きな部屋の中心にいたのは、幼き少年の姿。
チチチ…
彼の頭や手には、白い小鳥が数羽とまっている。
「…………………。」
長い麦色の髪が、穏やかな風と共にフワリと揺れた。
コンコン、
木でできたアンティーク調の扉に、小さくノックが鳴る。
それに気づいた少年は、ピクリと身体を揺らした。
ガチャッ
そこから現れたのは、1人の女性。
彼女は使用人の格好をしており、少年の後ろ姿を見ると優しく微笑んだ。
「失礼いたします。お食事のお時間ですよ、
ーーーーー眞鳥(まとり)様。」
名前を呼ばれた時、少年は使用人の方へ振り向いた。
バサバサッ…
その瞬間、小鳥が驚いて勢いよく天井に飛ぶ。
チリンッ
彼の左耳にある、銀の耳飾りが揺れた。
「ーーーーーーー、」
振り向いた顔は、少女のように可憐で美しい。
少年は目尻を緩め、穏やかに笑った。
チチチ…、
再び少年の元に小鳥たちが頭や手に乗る。
「うん。ありがとう、ゆーな。」
少し幼い口調でお礼を言うと、使用人の女性は愛しそうに微笑んだ。
ーーーーー
ーーー
ーーーーザッ……
それと同時刻、屋敷の外では新たな訪問者が……。
「………すごい綺麗だな。」
黒いスーツをまとった青年が、花畑に囲まれた屋敷を見上げてポツリと呟いた。
彼の顔はとても整っており、両耳にはピアスをつけている。
青年のそばには、同じスーツを着た男たちが。
「おい、青翔(あおと)。」
サングラスをかけたリーダー格の男が、青年の名前を呼んだ。
「何してる、早く行くぞ。十二支様をお待たせするな。」
「…はい!」
サングラスの男の呼びかけで、青年はビシッと背筋を伸ばす。
「自分はアルバイトだからって、気を緩めるなよ。
ここではお前も、プロの護衛人なんだからな。頭月家の看板を背負っているものと思え。」
その言葉に、青年は気を引き締めた。
「肝に銘じておきます。」
その表情を見て、サングラスをかけた男は鼻を鳴らした。
「分かればいい。じゃ、さっさと中に入るぞ。」
そしてスーツを着た男たちは、大きな扉をノックする。
すると大きな扉はゆっくりと開かれ、青年はグッと顔を強張らせた。
そして彼らは屋敷の中へと入っていく。
バタンッ
美しい花畑を背景に、
大きな扉はゆっくりと閉まった。
ーー???END.
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