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「っ、やめてください」
なんとか部長の手を頭からのけると
「やっぱり天然ボーイはウブだなあ」
とニヤニヤするので
「べつに、僕だってそれなりにっ」
「へーそれなりに、ね
彼女はいないとか昼休みいってたけど、どうなの」
「どうなのってなんです?」
話題の転換の早さに驚き、またも頭がついていかない
「あれまじ?好きな人とかいないの?」
「いませんよ、好きな人も。仕事多くてそんなこと考えてられません」
ふーんとニヤニヤする部長をちょっと睨みながら
「部長こそ、どーなんですか、イケメンだからそれこそ女の人がさぞやホイホイ釣れるでしょう」
ちょっとお酒がまわってきた瑠唯は昼の部長の言葉を使って反撃した
「……いるよ」
また目を細めて笑う
でもさっきのとは違う
長い睫毛が伏せられ、辛そうな…
「なーんつって
そんな驚いた顔すんなよー
なんだ俺が好きな人いるのそんな驚くのかー
きづつくー
俺これでもまだ35だぜー」
その表情は一瞬で消え、お酒のせいもあり、ちゃらけた部長に戻った
「なんだーいないんですかーつまらないですー」
部長にさっききた日本酒をつぎながら瑠唯は笑う
(嘘だ…)
たしかに瑠唯は天然といわれ続けて、自分でもまあ、確かにとも思う節はあるが
人の表情の変化には人一倍敏感なのだ
(なんで、あんな辛そうな顔…)
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