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兄さん1
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side優汰
ほんとに兄さんって可愛いよね
小学生の頃から兄さんが好きだった
好きな子はとことん虐めたい派の俺は
兄さんがいるのを知っていて酷いことを言ったり
していた
でも、兄さんはなにも言わなくて
次第に家にも帰ってこなくなった…
毎日、気が狂いそうになって
とにかく早く自立して兄さんを独り占めできる
くらい大きくなろうと思って
株を始めた
なんでもやれば出来る俺は初めから成功していたし失敗はしなかった
そんな俺に目を付けたのが、会社を俺に委ねた
神無月 春
という爺さんだった
跡取りが決まらず困っていたところに
俺を見つけて声をかけてくれたようだった
秘書が俺に会いに来た時即決で俺を跡取りにしたらしい
人並みを外れた才能を持っている自覚はあった
でも、それは兄さんをいつか手に入れたいがために使っていただけだった
小さい頃は親にバレないように
俺を褒めてくれて、それが純粋に嬉しかった
でも、いつしか親にバレて近づくこともしなくなってしまった兄さんに俺は酷いことを言った
『俺の兄貴って、何も出来なくてさぁ、正直邪魔なんだよねぇ』
本人に直接言ってなくても、いることは知っていて言っていたんだから同じことだ
何もできなくてよかった、俺が全てを兄さんに与えたかった…
邪魔なんて思ってもいなかったのに…
兄さんは優しい性格だから
縁を切って家を出ていくと言った時は驚いた
ずっと俺を見放さずに傍にいてくれるんじゃないかって
でも、そうじゃなかった
久しぶりに兄さんを見られると思って
熱でだるい体を起こしたが、そこに居たのは
冷たい目をした兄さんだった
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