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意地っ張り4
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「李緋斗はなんで電話してきたの?今は優汰いないけど…」
「あぁ、添那汰の声が聞きたかっただけなんだ」
「…そう、なんだ」
「添那汰、元気ないね…何かあった?」
もう、待つのはやめようかな…
李緋斗、助けてくれるかな…?
「李緋斗、あのね…僕をこのマンションから出すの手伝ってくれないかな?もちろんその後、僕に出来ることなら何でもするから…」
「添那汰……いいよ、わかった」
「うん、ありがとう」
そう言って、受話器を戻す
もう、後戻りは出来ない
少しの服とうさぎのぬいぐるみだけを持っていこう
優汰に心が傾いていたのには、顔を背けよう
きっと叶うことなんてないと思う
前に大好きと言ったあの言葉、今でも覚えてる
どうせ、優汰は忘れちゃってるんだろうな
どうして大好きなんて言ったんだろう
今思うと、疑問が残る
忙しくても、電話くらいしてくれても良かったのに…そう思うとやっぱりもう、要らないのだと自覚してしまうようで切なくなった
「やっぱり、ぬいぐるみは置いていった方がいいのかも…」
たった一つの優汰から貰ったものだけど…
未練が残りそうだから置いていこう
ピーンポーン
もう、後悔はしたくないけど…
優汰、もしまた僕のこと大好きって思ったら…
……なんてね、そんなことあるはずないのに
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