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そこには誰もいない7
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亜琉斗が居ないのでさっそく、李緋斗が送ってくれた本を読むことにした
最初に手にしたやつは、海外もので和訳されていた
何となく興味がわいて、夕食になるまでずっと読んでいた
時間はあっという間に過ぎ、分厚い本だから半分までも読めなかったけれど、字が小さいせいか目が疲れた
帰ってきた亜琉斗と夕食を食べた
昼食の時、亜琉斗が言っていたように豪華な凝った料理が出てきた
テーブルの上がキラキラしてた……
味も食べたことがないくらいすごく美味しかった
そんな夕食も終え、お風呂にも入った
すぐには眠れそうになかったから、さっき読んでいた本を開いた
それから本に夢中になり、ハッと時計を見ると1時間が過ぎていた
ふと、窓に目をやると星が輝いていた
月明かりも綺麗で電気を消した
自然に囲まれて、人工的な光も少ないここでは、
星が良く見える
たくさん輝いている星を見たことがなくて、少し嬉しくなった
でも、同時に悲しくなった
星はたくさん輝いているのに、今僕は1人…
天気がいいのか雲がなく、月の明かりだけで本が読めそうなくらい、明るく僕を照らしてる
そんな月明かりにも、寂しさを感じた
本を閉じて、ボーッと外を眺める
窓辺の月明かり以外、部屋は真っ暗
たくさん輝いている星や、月がすごく遠く感じる
満天の星空は近く感じると聞いたことがあるのに、正反対だ…
………………さみしい
1人、ここに取り残されたように
「ゆうた………………っ!」
なんで、優汰の名前なんか……
やっぱり、好きなまま…なのかな
「誰もいない……」
優汰も李緋斗も亜琉斗でさえも…とても遠く感じる
ポロポロ…ポロ
急に悲しみが混ざり寂しさが頂点に達したのか、涙が溢れ出した
なんで泣いているのか、自分でもわからなかった
ただ、心にポッカリと穴があいているようで
さみしい……
亜琉斗の部屋へ行ってみようかな…
「亜琉斗、起きてるかな…?」
迷惑かな……
一緒に寝てくれないかな…
気がつけば自分の足は廊下へ続く扉へ向かっていた
廊下に出て、隣の亜琉斗の部屋の扉へ手を掛けた
「あ、先にノック…」
コンコン…
これで返事がなかったら、帰ろう
「はーい」
ガチャ
開いた扉から溢れる光は暗い部屋にいた僕には、眩しかった
「あ、亜琉、斗っ」
「えっ?どうしたの、添那汰君っ!なんで泣いてるの!?」
「…さみしい…一緒に寝よう…?」
「…そっか、寂しかったのか。おいで、一緒に寝よっか」
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