アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
十六話 (長谷川 樹side)
-
夜の九時を回り職員室にはほとんど人が居なくなっていた。
ただ、真後ろの矢野先生は別だった。
今日倒れたというのに。
「今日の五時間目分、作業しないと駄目なんです。」
本当に二歳差か?と疑うぐらいしっかりしている。
「そ、そうなんですか。無理は禁物ですよ!」
「勿論。」
パソコンでの作業は終わっていて、吹奏楽部の入部届けにパラパラと目を通していた。
と僕も作業に戻る。
男女合わせて総勢28名のバスケ部の管理をどうするかを悩んでいた。
「矢野先……生……」
アドバイスを貰おうと思ったが駄目だった。
矢野先生はやっぱり疲れていて寝息をたてスースーと眠っていた。
「スー……スー……」
眼鏡を取ってこんな気の抜けた姿を見るのは久しぶりだった。
あっ、今日の倒れたのは気が抜けて無いから。
矢野先生の頭にポンッと手を乗せた。
あぁ……、僕はこの人の事が好きらしいと自覚することごとに胸が苦しくなる。
矢野先生に持ってきていたブランケットを被せ俺は帰ってしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 37