アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
三十五話
-
結構具合が悪い状態で職員室にたどり着いた。
「矢野先生……大丈夫ですか……?」
長谷川先生がミルクティーを淹れて下さったが、飲む気はしなかった。
外はザーザーと雨が降っていて、体育祭練習は出来そうになかった。
なんだかんだあり、朝の会に出た。
教卓に蹲っていたところ、
「先生……体調優れないんですか?」
学級委員の渡瀬さんだ。
先生まで気を回してくれるのは疲れるのでは無いだろうか……。
「本当だぁー先生大丈夫ー?」
良いクラスを持ったと思った。
顔を上げると、
「先生元々白いのに青白いよ。」
「隈あるよ、ちゃんと寝た?」
「おい、矢野teacher寒そうだな。ブレザー貸してやろうか?」
「もっともやしになるよ。」
と口々に言われ、ブレザーを三枚も貸してもらった。優しいクラスで良かった。
「無理なさらないで下さいね。」
と、とどめに渡瀬さんに言われた。
「これでは教師と生徒の立場が逆じゃないですか……。」
「たまには休んでよ。矢野先生うるさいからさ。」
「夏にこれは無い。肺炎かなんかじゃないの?」
心が暖かくなった。
「ありがとうございます………。」
この生徒たちで良かった………と最高に思えた瞬間だった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
36 / 37