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朝の陽射しは君の匂い
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「おっじゃましまあ〜す!!」
盛大に扉が開く音ときっくんの元気な声が
部屋に響きわたる。
「うるさ」
あろまが眉間にしわを寄せながら呟く。
そんな顔も愛しく思えてしまう。
「なにをー!久しぶりにこのきっくんに会えたというのに何だねその態度はー!!」
やいやいと盛り上がる中 ひとり来ないえおえおの
ことが少し気になった。
「きっくん、えおえおは?」
「あー寝坊した〜ってライン来てた ほれ」
きっくんがスマホの画面をずい と顔に近づけてくる
画面には『すまん 寝坊した』の一文。
「ええ〜せっかく早く来たのに〜」
あろまはわざとらしく口を尖らせる。
きっくんもそれを真似するように口を尖らせた。
「全くえおえおくんはしょうがないなあ〜」
「ほんと!ほんと!」
「そういえば俺朝飯食べてないわ」
ふと思い出したようにきっくんが呟く。
「俺も食べてな〜い きっくんが何か作ってくれると思ったからさ」
「俺も」
俺たちのその言葉できっくんの顔には喜びが滲む
「えっなになに そんなに俺お手製のモーニングが食べたいってわけ?ん?んん??」
きっくんの表情はとても明るく輝いて
弾む声から嬉しさが伝わってくる。
普段から料理を作らない俺にはわからないが
やっぱり作る側として「おいしい」と言って
食べてもらうのは幸せなことなのだろう。
「きっくんシェフのモーニング食べた〜い」
「きっくんシェフ作ってえ〜」
俺たちの言葉できっくんは満面の笑みへと変わる
「うんうん!しょうがないなあ君たちは!!
この漆黒の堕天使的存在きっくんシェフが朝ごはんを作ってあげよう!!」
と言い残しきっくんは嬉しそうに台所に姿を消した。
「上手くいったな」
にやり とあろまは悪そうな笑みを浮かべる。
「ああいうとこ単純だと助かるよな」
「な」
2人でくすくすと笑い合う 何て素敵な時間だろう。
しかしそんな時間を遮るように響く奴の声
「ちょっとー!!FBー!!!お前の冷蔵庫卵すら入ってないんだけどー!!!」
しまった。 昨日色々使い切っちゃったんだっけ。
「え〜あるもので何とかしてえ」
「お前な〜醤油と米だけで何作れって言うんだよ」
「お醤油ごはん?」
「馬鹿か!!」
お米に失礼だときっくんが抗議する。
そんなきっくんがなにか思いついたかのように
口元をにっ と上げる。彼がこの顔をする時は
ろくなことが無い。
「よーし!お前らにおつかいを頼んであげよう!」
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