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陸
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「お前さ、前髪邪魔じゃねぇの?
もうちょい切ってもその…傷見えねえと思う。」
素直に顔が見たいと言えない自分に呆れる。
「邪魔と感じた事はないんですけど…そうですね。
前髪だけでもちょっと切ろうかな。先生、
ハサミ貸してもらえますか?」
柳は傷を気にする素振りもなく、軽い感じで答えた。
って、えっ?!今かよ!
「ちょっ、自分で切るのかよ!」
焦った俺を見て柳は何食わぬ顔で慣れてますと答えた。
しかし、思い切りのよさにも驚く。
普通のハサミしかないのでそれを渡すと
ゴミ箱借りますと言い、足の間に挟んだ。
何故か俺に背を向け、後ろの髪の毛を掴んだ。
そして、なんの躊躇もなく前髪を切り始めた。
そのハサミ捌きは本人の言う通り、慣れていたようだ。
チョキチョキと切り進め、20分程で
髪の毛全体をバランスよく切りあげた。
肩にまで伸びていた髪の毛は首に掛かる程度まで
短くなり、見えなかった首が現れた。
白く細い綺麗な首。
俺が首筋に見入っていると柳に先生?と呼ばれた。
ハッ、として柳を見て思わず息をのんだ。
「ゴミ箱とハサミありがとうございました。
ちょっと切っただけなのに、ゴミ箱毛だらけです。
……て、どうしました?僕、変ですか…?」
…変?コイツは何を言っているんだ?
「………綺麗だ……。」
ただ、その一言だけを無意識に口にしていた。
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