アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
パーツ 0
-
僕は 山手真弓。
五井の一族の一端だ。
五井財閥といえば 知らない者が 居ない程有名だが 僕は分家の分家の末端みたいな存在かもしれない。
五井は陸 海 空 の乗り物から 保険事業 不動産 銀行 石油 資源 食品 電気電子機器 物流 宇宙開発まで 有りとあらゆる分野で 昔から手を広げている。
直系の親族は それぞれ 様々な会社の重要なポストに就いている。
僕の祖父が9人兄弟の末っ子で 僕の親は更に6人兄弟の末っ子で。
中央からは 遥かに離れ 忘れられたようなものだ。
そして 僕の父はどうにか食い込んで どちらかと言えば敬遠されていた 五井自動車のディーラーの神奈川地区の社長を努めていた。
僕の苗字が五井ではないのに 五井の一族なのは 母親が 五井の人間だからだ。
僕の父は 元々 地方の裕福な家だが 五井とは関係ない家柄だ。そして五井の一族の母と大恋愛の末 結婚した。
母の父親は 末っ子の母を可愛がっていたので 父が五井を名乗らなくても 五井の傘下に 父を 繰り入れた。
僕は 経営者になるつもりは無かった。
が、一応 大学の経営学部で学んだ。その後自動車の魅力に取りつかれ メカニックの専門学校で勉強もひととおりした。三級 二級整備士 検査主任者 検査員 その他危険物取扱 溶接 等々在学中とその後に資格を取り レースもちょっとだけ かじり B 級ライセンスまでは取ったし 大型 牽引 二種などの免許も取得した。
だが 父は良い顔はしなかった。
経営力 営業力を身につけろと 常々言われていた。
しかし 僕は 現場の機械油の匂いの方が好きだった。
一応 五井の人間として かなり強く結婚を勧められた。学生時代それなりに 付き合った女も居たが 元々恋愛体質ではなかったのか 熱くなることはなかった。
なんで 年がら年中 一緒に行動しなければならないのか?何故イベントを大切にしなければならないのか?
クリスマスだの 年末年始に初詣だの バレンタイン そして ホワイトデー。
付き合いして何日目だの 初キス記念日だの ドライブだの 初外泊だの。
向こうから 告白されて 何となく付き合って うるうるした目で誘われたから それなりの男の欲を吐き出して。
冷たいとか つまらないとか 記念日を忘れて酷いとか 詰られて 向こうから 泣きながら去って行く。
僕は来るものは拒まず 去るものは追わず ってスタンスが 身についてしまった。
まぁ女は嫌いではないかな?柔らかいし 迫ればやらせてくれたし。ただ 割りきって からだの関係って 都合の良い女は 居なかった。好きだの結婚だの 何なんだろう?
もちろんそれなりの家柄の 令嬢には それなりの接触の仕方をしている。
だが 尽くされることが 当たり前の 顔をされると 無性に腹が立つ。
好きになって当たり前の自惚れた 顔をされると 無性に腹が立つ。
香水を振り撒く前に 謙虚って ことを覚えろ と 言いたい。
僕は今 五井自動車の神奈川県の或チャンネルのディーラーに勤務している。
そう 親父の会社。取締役の一員に と いう話も有るが 僕だって 他の会社も経験しているし まだそれなりの実績を上げていない。
一昨年までは 或運送会社に勤務していた。そこでは ちょっと変わった仕事をしていた。運送会社だから 運送の仕事もしたが 塗装会社の倉庫の在庫管理の仕事をしていた。
膨大な広さの倉庫に 大小様々な容量と様々な色彩の塗料。
防腐剤入りやら コンクリート用 金属用 木材用 水性 油性………
オーダーが入るとその中の塗料の色指定 容量指定 用途に従って 出荷する。
そしてメーカーに連絡して補充して適性在庫をする。
大きな物は建設会社 建物は勿論 橋などの塗装。道路の塗料から住宅 ドイトなど小売の出荷までを管理していた。
そして 去年 親父が社長を務める 神奈川のディーラーの或チャンネルのディーラーに就職した。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
42 / 264