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パーツ 6
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昼過ぎ。
午後一番の部品部の会議。
本社の会議室。
月に一度の全営業所の部品担当者の会議。
だいたい内容は 部品売上げ目標の再度確認と先月の実績報告 適性在庫の徹底。
本社部品部の山手真弓部長が まず 話し始める。
今回は かなり突っ込んだ シビアな会議だ。
数年前までは形式だけの 目標達成の確認だけだった。
ところが 他社から引き抜かれたらしいという噂の 山手部長になってからは 厳しい。
顧客の割引率の見直しまで 提案される。
つまり今までの何%OFFだった率を 引き下げると言うのだ。
まずいだろ。
客だって 企業なら かなり厳しくなる。
同じ製品が今までより値上げされたら 苦情が来るだろう?
本社で 命令してる奴は良いよ。俺らは 客に 詰め寄られたりするんだぜ。
山手部長よ!
お前 現場で苦労してみろよ。
と心の中で毒づく。
すると 山手部長が俺を ギロリと見た。
冷たい視線だなぁ。 なまじっか 顔が整っているからよ 銀縁眼鏡で 睨まれると ドギマギしちまうよ!
「山科君? 何か 言いたそうだねぇ?遠慮なく言って?」
「えっ?えっと。 あのですね。
個人経営のような顧客は 中々 承知してもらうの 難しいんじゃないかと思います。企業 例えば同業社の 他のディーラーは 交渉次第だと思いますが ディーラーでばらつき が 有ると問題ですよね。そして この話しは 両刃の剣だと思いますよ。ウチが
割引率の低下をすれば 向こうも うちに販売する部品が値上がりしますからね。」
「勿論。承知しているよ。
君達は 企業以外の個人販売に対して 行うようにしてもらうつもりだよ。
そして 企業については 交渉は 僕が 渉外担当で 話を進めるから。
現場の君たちに 交渉させるような酷なことはしないから。
安心したかい?山科君?」
と にっこり 微笑んだ。
何故か 初めて見た 山手部長の笑顔に 心がざわめいて しまった。
何だよ!
いつも厳しい顔しかしてねぇのに 何 笑ってんの?
あんた 企業相手に 憎まれ役 やってくれちゃう訳?
俺達 現場の 立場 わかってくれちゃう訳?
俺は 何か 顔が 赤くなってしまって 顔をあげることが 出来なかった。
何だよ!山手部長って 漢(おとこ)だなぁ。
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