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パーツ 19
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千春side
……あれは一年前の記憶。
消すに消せない記憶。
酒を飲んだ。
したたかに飲んだ。
眠気と闘った。
俺は酒は嫌いではない。
だが ある程度 飲むと 眠くなってしまう。
昔から そうだった。
女房と結婚したのも 飲みすぎたからだ。
友達の家で飲んで 飲んで
眠くて眠くて
気がついたら 俺の家で
女房が丸裸で 布団で 俺の上に
跨がって 腰を振っていた。
籍を入れて
結婚生活の真似事をして
でも
俺達は
上手くいかなかった。
喧嘩はしない。
でも お互い干渉もしない。
単なる 同居人。
俺は
たぶん
誰にも 言えないが
女には恋愛感情を
抱いたことは 無かったから。
経験は無いが
男と そういうことを したい側の人間だと
思った。
そして 一年前の
セックスの快感の記憶。
しかも 男。
挿入はされなかった と 思う。
どうして そうなったのか?
全く 分からない。
そして 明らかに
くちづけも
体を這いまわる口にも
ヒゲの剃りあとの感触があって。
それだけで ぞくぞくした。
何となく記憶にあるのは 俺の腹に ぶちまけられた 大量の 精液。
俺のと 相手の男の。
そして 温かなタオルで体を拭いて貰った記憶。
拭かれたあと 2人で 布団で 寝た と 思う。
眠気と射精後の心地よいだるさと疲労に勝てなくて。
目すら開けられなかった。
その後 酔いも いくらか覚めて 目が覚めたとき 同じ布団の中で 背中を向けて 寝ている誰かを 確かめる勇気も無くて 思わず布団をかぶって やり過ごした。
だから 誰だか 皆目分からない。
その誰だか分からない男に 挿入されないまでも 互いの大量の射精と 相手から与えられた 過ぎる程の快感。
自分がゲイだと 改めて認識した。
ちょうど そのころ 女房からの離婚の申し出にもすんなり応じた。
だいたい 女の裸を見ても 女に触られても反応しなくなっていた。
そして
俺は 初めて 人を 好きになった。
俺の 上司。
はるか 職位も 上で。
生まれも 育ちも
俺とは まるっきり 違う人。
遠い人 だったのに。
関心すら 持たなかった人 なのに。
顔すら はっきり見たこともなかった人なのに。
向かい合って話もしたことなかったのに。
俺に話しかけたこともなかった人なのに。
その人を
好きになってしまった。
でも
あの 一年前の
快感も 忘れられない。
俺に くちづけした 男は
誰なんだろう?
もし その男が 俺に
関係を迫ってきたら
俺は 拒めるだろうか?
でも 一年経っても その男は
俺の前に現れない。
今 俺。
部長が 好きなんだ。
でも 他の男と セックスまがいの
ことをした 快感に流される男なんすよ。
部長から いきなり
キスをされて
嬉しくて 嬉しくて
でも
俺
綺麗なカラダ じゃ ねぇんだ。
一年前
見も知らずの 男に
キスをねだるような
ビッチな 男なんすよ。
部長から された
優しい キス。
忘れられねぇんだ。
真弓部長
俺 あんたの
こと
好きになったんすよ。
毎晩 真弓部長を
思って
オナッてる 馬鹿野郎なんすよ。
今回の旅行で
再び 俺を 訪ねて来るかもしれない男に少し ビビってます。
でも 過去は変えられねぇけど きっぱり断るつもりっすよ。
それまで
真弓部長。
俺は あんたと まともに 話せねぇよ。
顔を見たら
抱きつきてぇもん。
顔を見たら
あんたへの
想いで 泣きそうだもん。
とにかく
旅行で はっきりケリつけますから。
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