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疵(きず) 24
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もう 話すしか無い。
泣きそうな心を叱咤して
「あのっ!
あのっ!
俺 俺 俺
足に そのっ
火傷の 痕が 有って。
足の裏に 火傷を 昔 してっ!」
後ずさりしながら
キッチンの壁まで下がって
背中を 付けて
全裸のまま
ずるずると しゃがみこんでしまった。
「だからっ
あなた一人でシャワーに
行って 下さい。
俺は 裸足に
靴下を 脱ぎたくなくて
足を人に 見せられなくて
火傷の 足で
だから 靴下を 脱ぎたくなくて
見せられない足で
だから お願いです。
あなたが 先にシャワーを
一人で
俺は あなたの後
シャワーを
そして あなたに
抱いてもらいますから
先にシャワーを
俺の
靴下を脱がせないで
おれが 自分で 脱ぎますから
俺
火傷してるんで
醜い ケロイドで
だから
セックスしたこと 無くて
見られたくなくて
裸足に なりたくなくて
お お願いです。
先にシャワー……」
裸の尻をキッチンの床に下ろしたまま
靴下を履いた脚は軽く投げ出し
うつむくしか 無くて
全裸で有ることなど 頭に無くて 性器を隠すことさえ 忘れてしまって
俺は 懇願に 近い 叫びを
放つしか 無くて。
このまま アノ人が帰ってしまっても
仕方ないと
諦めの 気持ちでいた。
抱かれたい
でも 足を見ることなく呆れて帰って欲しくて。
出来ることなら 見られたくない。
普通の身体のイメージを持ったまま 彼の記憶に 残されたい。
キスだけ でなく もう少し 俺を 性欲の対象として 興奮して欲しい。
だけど 醜い 姿を 彼の記憶に残したくない。
俺を 少し良い身体として記憶に残したまま このままで終わりたい。
ならいっそ 呆れ果てて
性欲を無くして
どうか 帰って ほ し い。
俺を 見捨てて
帰って ほ し い。
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