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フリ
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「たのむ…高峯」
まるで捨てられそうな子犬みたいに震えて。
らしくない声音で。
逆にこっちが耐えられなくなる。
ちらっと頭を少しだけ後ろに向ければ
…泣きそうな、崩れて壊れてしまいそうな
顔をした守沢先輩がいた。
ズキっ
違う。
俺がみたいのは、そんな顔じゃない。
俺がさせたいのは、そんな顔じゃない。
あぁ、嫌だ。鬱だ。
ほら、やっぱり。
自覚なんてしたくなかった。
いや、ずっと前から自覚はしていたけど、
この気持ちに気づいてないフリをしていただけだ。
黒いきた汚い感情で埋まってしまう。
毎日そばにいたら、嫌でもわかってしまう。
目で追ってしまう。
…独占したくなってしまう。
この人はそんなつもりで俺といるわけじゃない。
あぁ、死にたい。
だから、…だからそんな顔しないでください。守沢先輩。
―…お願いだから。
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