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兄
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次の日の朝も兄は相変わらず可愛かったが、いつもと違うところがあった。
「優君、お弁当一つ多いね?」
机の上にある、優君のお弁当箱と並ぶ色違いの俺のお弁当箱。
の、横に見慣れないもう一つのお弁当箱
もっきゅもっきゅと食パンを頬張りながら優君に聞くと、優君は朝だというのに花が咲く様な笑顔で
「うん!早玖の分だよ!早玖いっつもコンビニでお昼買ってくるからさ~作ってあげるって約束したんだ。」
ガンッと頭に石が落ちてきたんじゃないかと思うくらいの衝撃だった。
友人の分際で優君のお弁当を貪るなんて。
しかも俺はアイツが優君の友人だなんて認めてない!
「待ってよ優君!そんなの!あいつが自炊すればいいだけじゃん!」
「もう、まーくん!そんな酷い事言っちゃダメ!早玖は一人暮らしで忙しいんだから。
あ、もうこんな時間!今日は早玖と待ち合わせしてるんだ!先いくね!」
そう言って優君は俺を置いて先に大学に行ってしまった。
今までどれだけ喧嘩したって1度も欠かすこと無く毎日一緒に行っていたのに。
のこのこと現れたアイツに優君を取られてしまった。
その後は、食べていた食パンの味も分からなくなって
優君の居ない家に居たくなくていつもより早く登校した。
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