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兄
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「よし!優くん、俺学校いってくるけど、どこかに出かけるときは必ずメール入れてね。迷子になったら電話して、迎えにいくから。それと……」
「いつまでやってんだ」
突如感じた頭への衝撃。
遅れてやってくる微かな痛みに、痛みの元凶を睨みつける
「ほら、行くぞ。送ってってやっから」
そういって手を引かれ、助手席のドアを開けられる。
汚れ一つない車に思わず目を見開いた
「お、お前運転出来んの…?」
「出来るから車持ってんだろ」
車に乗りこんだことを確認すると、ドアが閉められる
運転席に乗り込み前を向きながら俺に確認する。
「葛城高校だろ?その制服。校門前でいいか?」
「なんで知ってんのうちの制服…
もしや、女子高生をそういう目で…!」
「降ろすぞ」
「ゴメンナサイ」
そう言いながら緩やかにハンドルをきる。あまりに滑らかな動作に、目が離せなくなった。
「弟が同じ高校にいんだよ」
「ーーえっ、そうなんだ」
「俺も葛城に通ってたしな」
「えっ、OB?!」
「おー。生徒会長やってたし、誰か先生にでも聞けば分かるかもな」
うちの高校は成績上位者から生徒会役員が選ばれる。
進学校を名乗るだけあって、偏差値は中々高い。その中で上位になるということは、相当の学力がないと難しい、が
「似合わねぇ…」
昨日から俺に変なことばかりしでかしてくるコイツが生徒会長だったとは、俄に信じがたい。否、信じたくない。
「お前と違って要領がいいんだよ。ほら、着いたぞ」
時計を確認すると8時28分
全速力で走れば、朝のHRまでに教室に滑り込める。
「お、送ってくれてありがとう……」
鞄を握りしめて下を向く。
途端に恥ずかしくなり、急いでドアを開けた
すると後ろから、
「礼ならまた今度飯作ってくれ。美味かった」
思いもよらない言葉に、勢いよく振り返る。
すると、蕩けるような微笑みでこちらを見つめられ、思わず体温が上がった。
「お前今日ギリギリじゃん。珍しいな
あれ、熱でもあんの?顔赤くね?」
「う、うっさい達也は黙ってて!!!」
「は、はぁ!?」
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