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兄
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達也曰く、ヒラヒラっと手を振りながらこちらに向かってくる、一見チャラそうな長身の彼は、生徒会長らしい。
「見たことあるだろ?」と問われるが、初見だ。まぁ、無理もないと思う。
なぜなら……
「集会は、優くんのことを考える時間だから」
「それ思ってても生徒会長の前で言うことじゃねぇから!」
すんませんでしたー、と頭を掴まれ下げられる。
確かに言うべきではなかったかもしれないと思い、一緒に謝りながら、チラと上目遣いに相手をうかがう。
「君やばいね!面と向かって言われたのは初めてだ」
耐えられない、というように腹を抱えてゲラゲラと笑っている。予想外の反応に、呆気に取られた。
こうしてみると、生徒会長は中々整った顔立ちをしていて、180cm近くあるんじゃないかと思われるその身長と、万人受けしそうな優しそうな笑顔。
何より、少し既視感を感じるハッキリとした目元が、何故だかとても印象に残った。
「それはどーも。
それで、何か用があったんじゃないんですか?」
「あー、そうだったそうだった。
あのさ、丁度見掛けたんだけどさぁ、今日の朝、8時半くらいに車で登校してこなかった?」
「しましたけど…」
すると、人の良さそうな笑顔から一変して、ニヤニヤと効果音が付きそうなほどの悪い笑顔。
「やっぱり?良かったー、見間違いじゃなくて。
それにしても君が…へぇー、ほぉー……」
顎に手を当てて、へぇーやらほぉーやら呟くそいつは、目に焼き付けるようにしばらくの間俺を観察していた
「達也この人めっちゃ怖い」
「本当に奇遇だな俺もそう思った」
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