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五人目
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「答えろ、ロゼッタを知っているか、知らないか!?」
「(コイツ、マスターの知り合い……!?マスターいなくてよかった!!)」
イルは冷静に考えた。
首を絞める、という事は絶対コイツの糸は紫か黒だ。そうに違いない!
「は、なせよっ!!」
男の鳩尾に蹴りを入れて何とか離れた。
「げほっ」
咳き込みながらも、男からは距離を取る。
「ただいま――――」
「!」
マスターが帰って来てしまった。イルは慌ててロゼッタの元に向かおうとした。
「お客?」
ロゼッタがイルに、男について聞いた。
「コイツ、ボクの首を絞めたっ!ロゼッタって男を探してる!逃げてマスター!!」
「え?」
気付いた時には、男が後ろから羽交い絞めにしていた。
「マスター!!」
「大人しくしていろ……。お前、ロゼッタという男を知っているか?」
ロゼッタはすぐに男の糸の色を見た。今さっき自分につながった、黒色。
もはや狂いきった、手遅れの黒。
「(黒い糸は初めてだ……!)」
マズイ、と冷や汗をかきながら男を見た。
「……特徴を」
「薔薇のような赤い髪、水晶のような青い目」
恍惚とした声が聞こえる。ロゼッタには、この男に思いあたる人物はいなかった。
「探してはみましょう。失礼ながら、御関係を伺っても?」
「お前には関係ないだろう。……まあいい。
彼は美しかった。私でさえも見惚れるほどに」
「(何か語りだした……。ヤダ何この男)」
イルは、もはや呆れたような目をしていた。
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