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五人目のあとに
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夢を見た。
それがロゼッタやイルが持つ能力のせいか分からない。
だけど、夢を見た。
赤髪の綺麗な男がいた。
男に人が寄って行く。だけど、誰にも彼は目を向けなかった。
やがて彼を求めて、争いが起ころうと
彼には関係なかった。
すると、女と遠巻きに見ていた優男が話しかけると
それまでの無関心が嘘のように笑った。
彼には名前が付いていた。
だけど、彼にその名前を呼んでも返事をしなかった。
「お前の髪は薔薇みたいだね」
血のようだ、と赤が嫌いだった。
だが、優男の言葉で赤が好きになった。
「薔薇みたいだから……ローズ?それじゃ女の子みたいだね。
ロゼッタならどうかなぁ。女の子みたいなのは変わらない?」
優男にもらった名前を、彼は大事にした。
「私のロゼッタ」
そう呼ばれるたびに、彼は舞い上がるような思いがした。
だけど、
「私のロゼッタ、聞いて!
私の婚約が決まったんだ!」
彼は笑いながら泣いた。
優男は、彼に気付かないで楽しそうだった。
嬉しそうだった。
彼は、優男の相手を心のどこかで嫌った。
性格や容姿は悪くなかった。むしろ、彼は相手が好きだった。
ただ、優男を奪われたようで、彼は嫌いだった。
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