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悪夢の中で見るフシアワセな夢(ヤンデレ×ツンデレ)
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「コーティク、コーティク…ねぇコーティク起きて」という、
どこか優しげでありながら、恐ろしさもある聞き慣れた声が耳元で聞こえる。
俺はその声に朧気ながら、
「まだ…起きたくないです」
と眠る思考の中でそう口にすれば。
「っ…そうか。起きたくないのだな…ならば、こうしてやろう」
そう言って、この聞き慣れた声の持ち主であるアレクセイは俺の唇に優しいキスを…ではなくて、激しい荒々しいキスをするので。
「にゃっ…!!なにっ…するんだよバカっ!!」
と、俺は夢の世界から飛び起きるかのように言い放ちながら、一気に目を開けると…。
そこには、銀のようで金でもあるプラチナブロンドの髪と、左右で色の違う赤と紫の瞳を持つ…。
どこの誰が見ても、なにを考えているかわからないミステリアスなアレクセイが、俺の寝室のベットサイドで意地悪そうに笑っていたので。
俺は、今日も髪が長髪だったら…息出来ないぐらいカッコいいのに、残念だなと心の中だけで思いながら。
口では、
「アレクセイっ…!!ふざけんにゃっ!!キスはやめろって言ってるだろう」と、
白くて柔らかなベットから、勢いよく起き上がりながらそう言えば…。
「そうだったけ?…僕の記憶にはないんだけどな、むしろキスしてアリョーシャだと思ってたけど」
「そんな訳あるかよっ…キスなんかっ…別に、欲しくない」
俺は黒い髪を逆だてるような勢いで、にゃーにゃーと猫のようにそう言えば。
アレクセイは俺の獣の耳のようにはねたくせ毛を、ぎゅっと撫でるように掴むので。
「ふわっ…やめろっ…そこは、らめぇなんだよっ…」
「…くせ毛が気持ちいいのは変わらないんだね」
「うっ…そうだよ。悪いかよっ…あと、そんなに乱暴にしないでよ…」
俺は電流が走るかのような、甘く痺れる感覚に耐えつつそう言いながら。
猫のようにつり上がった蒼い瞳から、小さな雫を零せば…。
「乱暴になんてしないよ。むしろ、優しくしてあげる」と甘く囁くように、特徴的にハネたくせ毛を今度は壊れ物を扱うように触れるので。
「…そいう風にするの…ずるい…もっとイジメればいいだろう、アンタはそいうの好きなんだからっ!!」
「たしかに、君をイジメるのは好きだけど…。そればかりでは愛がないよね…。だってさ、僕は君の事だけを誰よりも愛しているのだから…」
「またそんな事言って…最近の公爵様はそいう嘘をつくのが流行りかよ」
アレクセイのいつもの告白に俺は、そう本心とは違う言葉を照れ隠しのように告げれば。
「嘘なんかじゃないさ…でも、ヴィクトルがそう思いたいなら今はそれでいいけどね」
「…そいう顔するのはもっとずるい…というか、今思ったけどなんでアンタがこの時間に居るんだよ!!」
「突然どうしたの…。そんなの雪のように白い姫を目覚めさせようと思って、いつもよりかなり早く来たからに決まってるでしょ」
アレクセイはそうニヤリと嬉しく笑うかのように言い放ちながら、ずっと触っていた俺のくせ毛から手を離して。
今度は俺の白のカッターシャツの襟元を、引きちぎるような勢いで掴んできたので…。
俺は毎度ながら、どうしてここまで表情と行動を、真反対に出来るのかと思いながらも。
ここまで、俺だけに感情的な行動を見せるアレクセイに…。
(仕方がないな…それだけ、俺の事思ってくれてるのかな…)と口にすれば、
彼が喜ぶような言葉を胸の中だけで呟いて。
「おい、やめろっ…そんなにしたら破れちゃうっ…というか、もう破れたんだけど!!」
「…あはは、そうだね。ビリビリになっちゃったね…でもこうなれば、こうして君をもっと近くで触れる…」
「なっ…だからと言って、俺のシャツを破くなよっ!!気軽に買えるほど…俺は金ないのに」
俺はそう悪態をつきながら、胸が丸見えになるまでビリビリに破れたシャツをぎゅっと右手の義手で、乳首が見えないように引っ張れば…。
「ちゃんと弁償はするから、許してよ…というかむしろ、僕が君の服を一から全てコーディネイトしたいな」
「なんだよそれ、俺はまだアンタの着せ替え人形じゃないぞ…まあでも全額アンタが払うなら考えても良いけどな」
「その言葉、忘れるなよ…ヴィクトル、いいな絶対だぞ」
アレクセイは俺の言った発言に、浮かれた雰囲気から打って変わったかのように高圧的で、畏怖感のある声でそう俺に命令するので。
俺はその絶対的な言葉に、何があっても逆らいたくない気持ちになって…。
「絶対に忘れないから…だからその…」と彼の命令に返答を返しながら、アレクセイの紫色のネクタイをぎゅっと掴んで引っ張れば…。
「いい子だ…」とアレクセイは優しく嬉しそうに呟いてから。
ーー今度はどこまでも甘くて、今にでも幸福的でシアワセな世界に飛んで行きそうな程のキスを俺に贈るので。
俺はふわふわとした甘い口づけに、唯々溺れるかのように。
彼の背に手を回して、俺とは違ってちゃんと綺麗な状態の白のカッター シャツに少しだけヤキモチを焼きながら…。
どこまでも深くて、長くて、息すらも忘れてしまう程の口づけを味わいつつ、
頭の片隅で今日の仕事は辞めにしようと思えば。
俺に対して、とてつもなくよく見ているアレクセイはそれにすぐ気付いて。
深く絡みあった舌を一気に引き剥がして、
「…他の事を考えれる程には、余裕がまだあるのか」と嫉妬を剥き出したような声音で俺に言い放つので。
「ちょっ…そんなのっ…あるわけないっ…だってっ…ほらっ…こんなに上手くっ…喋れないんだぞ」
俺は乱れた息で彼にそう告げながら、キスによる刺激で思うように動かない左手で、彼の手を掴んで。
キスの快感で、今にでもどうにかなりそうな俺の股間にそっと連れていけば。
嫉妬剥き出しだったアレクセイも、とても機嫌の良い顔になり…。
「キスでもう…こんな風にしてくれたのか…。全く…可愛い奴め、本当に…堪らなくて愛おしい」
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