アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
どんな○○をしてるの?
-
「ヴィクトル、こっち来いよ!! お前に良いものタダで飲ませてやるぜ」
「はぁっ……またどうせ、ろくなもんじゃねぇだろうそれ?というか、何だよその色のカクテルは?」
ふざけたテンションで言い放つ、このバーのマスターであるエリックの、ガハガハと耳障りな笑い声に。
アールデコ調のお洒落なバーカウンターの隅の席に、座って居る獣の耳のような独特な癖毛がある、黒髪蒼目の青年ヴィクトルは、鬱陶しそうに答えると……。
「嗚呼、そりゃ……これは『面白い事が起きるカクテル』だからな、そうだから、怪しいピンク色だぜ」
「面白い事が起きるカクテルだと……? 随分と、ふざけてるけど。どうせ、甘いだけだろう?」
ヴィクトルはツンとした態度をしながら、エリックが用意したカクテルを、ごくりごくりと飲みほしてから。
「……やっぱ、めっちゃ甘ぇ……あと、なんかふわふわする感じだ。店に出すのは、やめた方がいい」
「辛辣だな、まあ……でも、時間が経ったらその評価、変わるかもよ? という事でセシュ! ヴィクトルと仲良く、お喋りしといてくれよな。俺は今からちょっと、仕込みをしないといけないからさ」
エリックはそう言い捨てながら、二人を残して、一目散に逃げ出すように、この場から去って行くので……。
そんな状況を、近くでずっと黙って見ていた、赤いボブカットヘアーに、黒縁メガネのおっとり系青年のセシュは、驚いた表情を見せて。
「えっ……ちょっと、エリック!! そんな自分勝手な事して……後でこっち来たら、文句言おうねヴィクトル」
「そうだな、全くあのおっさん……俺達を、何だと思ってんだよ!!」
「だね? でも、ちょうど良かったかな……実はさ、ぼく聞きたいことが、ずっと前からあってさ」
セシュは辿々しく照れたように言いながらも、ヴィクトルの方ではなく。
ここから離れて行ったエリックの方を、じっと、愛おしそうに見つめながら。
「その……ヴィクトルは、アレクセイさんと、どんなHしてるのかな?」と、悪気なんて一切ない声音と表情で、そう言い終わってから、ヴィクトルの方に振り向くので。
そんなスケベな質問を、受けたヴィクトルは。
(──こいつ、恥ずかしいという感情すらないのか……)と、心の中で猛烈に舌打ちしながら。
──相手にはそんな思いなど、一ミリも悟らせないように……。
友人に向けるような何気ない笑みを見せて、こう答える。
「おいおい、そんな話聞くなよな!! 別に……変なプレイなんか、してねぇぞ?」
「えっ……そうなの!? てっきり、アブでノーマルだけしかしてないのかなって、思ってたんだけど!!」
「なっ……そんなのしてねぇよ。まあ、首は絞めたり……吸血プレイとか……だしな、今のところは」
ヴィクトルは少し照れたように、ボソリボソリと、そう小さく呟くので。
「いや、それ……アブでノーマルじゃん!! というか、そんな上位レベルのプレイしてるのなら、おもちゃで放置プレイとか、もう経験済み?」
「それはない、というか、おもちゃを使ったら……お前を後悔させてやるって、俺がアレクセイを脅してるから、多分これからも、一生ないよ」
「……そうなの? 意外すぎるね。てっきり、その……そういうの経験済みかなって、ぼく思ってたからさ。良さげなオモチャがあれば、教えて貰おうかなって、そう思って話かけてたから。なんか、ほんと意外だよ」と、セシュはヴィクトルのまさかの返答に、少し戸惑いを見せつつも。 気弱そうに、どこか愛想笑いのような笑みを浮かべて、静かにそう答えるので。
「……意外で悪かったな。というか、セシュ達はオモチャ使ったりするんだ? そっちのが意外……だってさ、この前マスターが言ってたけど。やる時は生だな、ゴム買う金もったいないし……とか、言ってたからさ」
「あっ……えっ……!? ちょっ……ヴィクトルやめてよね!! 流石にその話は恥ずかしすぎるから!! というか、マスターのバカ、ゴムなしエッチしてる事を、ペラペラ喋るなんて、破廉恥だよ」
「俺に『どんなエッチしてるの?』って、聞いてきたセシュも、だいぶ破廉恥だと思うけどな。ほんとな……たまたま今は、俺だけしか居ないから良かったけどさ。こういう話とかを、アレクセイの居るところでやったら、どうなってもしらねぇ……」と、ヴィクトルが言い終える前に。
背後から低く、怒りのこもった声で……。
「そうだね、どうなっても知らないよね。僕の最推しにクソみたいな質問する奴なんか……どうなっても、良いよね?」と言い放つ、今最も来て欲しくない人物である……。
金のような銀の髪を短くカットした、赤と紫という左右で瞳の色が違う、ミステリアスで、どこか恐ろしい雰囲気を持つアレクセイが、そこに居たので……。
ヴィクトルは思わず額に、手を当てて。
(終わった、これはもうダメだ……。この後、めちゃくちゃお仕置きされるやつだ、朝まで寝かさないぞって、ヤツだ!! というか……なんでこうも、タイミング悪く来るんだよ!!)
そう胸の中で叫ぶように言いながら、この後来るであろう事態を、脳裏で予想した瞬間……。
むくりと、自身の屹立が、突如勃ち上がってしまい。
ヴィクトルはあまりの恥ずかしさに、この場所から逃げ出そうとすれば……。
「何逃げようとしてるの? 逃げちゃダメだよ? それとも、僕に追いかけまわされたい? されたいんだね? それなら仕方がないな……。ほんと、仕方がないよね」と、ヴィクトルの反応に対して、まるでゲームを楽しむかのように、恍惚とした表情を見せて、アレクセイはそう答えるので。
「……おまっ……ちょっ……もう、その……な。そういう態度マジでやめろよな!! 気分悪くなるから、ちょっと吐いてくる」
ヴィクトルはツンツンとした態度で、そんな悪態を吐きながら。
バーのトイレへと、走って向かって行くと……。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
26 / 62