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どうして?6
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俺はどうなったらそう言い張れるのか分からない彼の返しに、少し呆れた声音で返答しながらも。
──何故だか分からないけど、彼の返答に沸き立つ嬉しさを感じて。
ほっとした表情と笑みを、一瞬彼に向けて見せると……。
「……ほんと、素直じゃないな。でもいいや、それが今の君なんだから。それで良い、それで良いから……私から離れるな。もう二度と、君のこの手を離さないから……だから僕を嫌いにならないで」
「ああっ……なんだよ、それっ……卑怯だぞっ……そんな風に言われたら、いや言われても!! 嫌いになんかなるわけないだろう!!」
俺が言った言葉に、最初はいつものような余裕たっぷりとした口調だったのに、突如人が変わったようなレベルの……。
不安で一杯一杯になって、酷く狼狽える弱気な彼に激変したので。
思わず、彼の不安を否定するかのように。
唇に触れるだけの口づけを、何度も何度も繰り返して贈れば……。
「良かった、嫌われてはなくて……。本当に良かった、今日は君に対して酷い所しか見せてないから。こんな酷くて、か弱くて……見っともなくて、カッコ悪い、忌々しい僕を見て!! きっと嫌われたんだと思って……何もかもどうでもよくなってたんだ」
「アレクセイ、アンタ……。ほんと、どうしたんだよ。そんな事言うなよ馬鹿っ……。アンタがどんなになろうとも、俺は嫌いにならないし!! カッコいいって思うから!」
そう強く、彼が先程俺に言った言葉と似たような言葉で。
『俺を信じて』と願うように、言い放てば……。
「ヴィクトル……嗚呼もう……そんな風に言われたら。嬉しすぎて、死んじゃいそうだよ。死がない僕が……君に殺されちゃうね。あははは、でもそれも良い……でもそういうので殺すなら、僕が君を深い愛で殺したいな」
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