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チョコレートよりも俺を味わって
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「アンタに、これやるよ!」
そうツンとした態度で言い放ちながらも、頬は照れで赤く染めて居るヴィクトルに。
ぐいっと、ムードもなく黒の箱に紫のリボンでラッピングされた小さな箱を渡されたアレクセイは。
とぼけた顔でこれがどういう物なのかを、100%分かっているのに分からないような声音で。
「突然なんだい? 君から僕に物をくれるなんて……珍しすぎて、びっくりだよ。ほんとびっくりさ、中身は何だろう? 君からなら何でも最高に嬉しいけどね」
「なっ……なんだよ!! 俺だってアンタに物をあげる時はあげるっての! というか、アンタは俺に物とか買いすぎなんだよ……あと美味しい食べ物もな」
「そうかな? これでも、オレーグよりかは控えめにしてるつもりなんだけどね……。だってヴィクトルもオレーグもさ、美味しそうに食べ物を食べるから。ついつい美味しいもの沢山あげたくなるんだよね」
「俺は愛玩動物じゃねぇぞ! つうかそんな事よりも、その箱の中身ちゃんと食べろよな。ああでも無理だったら捨てて良いから」
ヴィクトルはしどろもどろに照れくさそうに言いながらも、目をきょろきょろと動かして。
アレクセイの方を見たり見なかったりするので……。
そんな愛らしくて可愛い行動に、プレゼントを受け取った当人は。
「いや、捨てないよ。 絶対に捨てないから、安心しなよ。あと遅れたけど有り難うヴィクトル、愛の日に君からチョコレートを貰えて僕は幸せだよ」
「なっ……もう馬鹿っ!! そんな顔しやがって、俺もアレクセイに渡せて幸せだっての」
キラキラと目を輝かせたような顔をして言い放つアレクセイに、ヴィクトルはそうツンデレヒロインのように、顔をさらに真っ赤にさせて強く言うので。
アレクセイはそれに意地悪な笑みで答えつつも、受け取った箱をゆっくり丁寧に開けていくと……。
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