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始まり
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「シンジ!!!話を聞かんかこの戯け者!!!」
「いでっっっ!!」
三十九の怒声が静かな部屋の壁を反射してエコーのように聞こえる。耳が痛いと思いながらも耳を抑えるのは三十九に失礼だと凛太郎は顔を歪めて我慢をする。
隣に並んでいた龍とサイも、同じような顔をしていたが、春臣だけが楽しそうにしていた。
それもこれも、三十九が話をしているところ、大きな欠伸を隠そうともしずにしたシンジのせいなのだ。腹が立つ。後で一発殴ってやる、と頭では思いながらも、凛太郎は今にも殴り掛かりそうになっていた。
「凛、殴るのだけはやめなさい、シンの手当をするハメになる佐原さんが可哀想だよ」
「すいませんボス、殴ったりはしません」
「おいこらクソジジイ俺の心配じゃねぇのかよ!」
先程怒鳴られて借りてきた犬のように小さくなっていたシンジが三十九に叫ぶ。
三十九ももう呆れた表情になり、話を続けた。
「さっきも言った通り、今回の標的は人数が多いだけで腕っ節は無い、大した仕事じゃないよ。クライアントはそのグループの頭だけを消してほしいそうだ。余計な屍は出さんでおくれ」
三十九は手を組み、標的の説明を細かく話し始める。
本題に入るとシンジは真剣な表情になり、真面目に三十九の話を聞いていた。
「頭の名前は王・虞淵(ワン・グエン)。中国の貿易商…だったかな、裏では想像もできないような悪事を働いていて、恨みを買いすぎているらしいよ。まぁ殺してしまうしこれ以上は不必要だ、話を戻そう。数が多い分、相手に見つかると厄介な事になるからね。今回は夜の色が濃くなってきた時分に敵のビル奇襲をかける。」
組んだ手を離し、目の前に立っている5人を見回して1人ずつに向かい話を続けた。
「まずはサイ、お前さんは相手のサーバーにアクセスして構成員が皆付けているだろう体内のチップをハッキング、全員の位置を分かるようにしておくれ。頭のチップはハッキングしにくい事を想定して何通りかのパターンを用意しといておくれ」
「かしこまりました、ボス」
「次に龍、凛、春、シン、サイの情報を頼りに構成員を気絶させて行きなさい、決して殺すんじゃないよシン」
「…はいは〜い」
「ワンの位置がわかり次第、なるべく春と凛で向かいなさい。龍、シンは追っ手を考え遊撃部隊だよ。大まかな流れはこの形で行くよ、後は現場の状況に合わせて行動しておくれ」
「「「了解」」」
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