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episode.16 試してみる?
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〜明希side〜
「んー、物音ひとつ聞こえないんだけど!!」
「うまくいってるんですかねぇ……」
一方、明希と木之本は部屋で静かに隣の様子を伺っていた。
「んでもまさか、恋くんまでヤること考えてたなんてなぁ。」
「やるからにはちゃんとってのが恋の性格なんで。赤津さんって初めてなんですか?」
「ん?セックス?」
「はい。」
木之本のまっすぐな物言いに明希は思わず笑う。
「男とはしたことないと思うけど……女とはわかんないな。」
「そうなんですか……」
「心配しなくても、ちゃんと恋くんに優しくするように言ってあるよ。俺がレクチャーしておいたからねっ!」
木之本は自慢げにそう言った。
「木之本さんは経験あるんですか?」
「ん?うん。明希ちゃんは?」
「ありますよ。俺ゲイなんで男とだけですけど。」
「恋くんもゲイなんだっけ?2人が付き合うとかはならないの?」
「……恋は俺とは違いますし、何より2人ともネコなんで、付き合うとかにはならないです。」
「へー……明希ちゃんは男とのセックス気持ち良い?」
「まあ、悪くはないです。そうなんども何度もいいと思ったことはないですけど。」
「明希ちゃん今好きな人は?」
「いませんよ。」
明希はそう言って笑う。
「明希ちゃん、モテそうだよね。」
「好きじゃない人にモテても嬉しくはないですね。木之本さんこそ、モテるんじゃないですか?」
「んー、どうなんだろ?」
「木之本さん優しそうだなぁ。」
明希はあははっと笑う。
「好きになった人には優しくしたいねぇ。」
「木之本さんはノーマルですか?」
「ん?俺は好きになった人が好きだから。バイかな。」
「そうなんですか。」
「俺、エッチうまいよ?」
木之本はそう言って悪戯っぽく笑った。
「どうだか!そういう人に限って下手くそなんですよー?」
明希が笑いながらそう言った次の瞬間、明希は布団の上に押し倒された。
「……試してみる?」
「え……?木之本さん?悪ふざけはよしてくださっ……」
言いかけた明希は口をつぐむ。それはあまりに真剣な木之本の顔を見たからだ。
「……俺さ、明希ちゃんのこと、好きになっちゃったかもしれないんだよね。」
「木之本さん……?」
「ね、明希ちゃんは俺と契約恋愛しない?」
木之本はそういうと明希の首元にキスを落とす。
「ぁ……ん……」
明希は思わず吐息を漏らす。
(……なにこれ、流されそう……!)
明希がぎゅっと拳を握ったその時。
「なーんてね!冗談だよー!」
木之本はパッと手を離し、隣の布団にゴロンと転がる。
「び……びっくりしたぁぁ!」
(危うく流されるところだった……)
「ごめんごめん!ちょっとだけ琉に便乗したくなったんだよね。」
「もー!悪戯にもほどがありますからね!」
「気をつけるよ。さて、恋くんの喘ぎ声でも聞こえないかなぁ!」
「聞き耳立てときますか?」
「お、いいねぇー!」
2人は壁際による。
明希はいたって普通に振舞っていた。木之本も普通だったからだ。だが明希の心臓はドクンドクンとなっている。
(嫌じゃなかったなんて……)
明希は"知り合ったばかりなのに、気のせいだ"、と思い直し、再び隣の部屋の様子を伺い始めた。
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