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episode.50 恋してる
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※明希目線で回想が入ります。日付注意。
「恋…」
明希は病室で、恋の手を握りながら、ここ最近のことを思い返していた。
*
11月半ば
「……明希。」
「んー?なに?」
「……いつまでそうしてるつもり?」
明希は左薬指にはまった指輪を眺めながらニコニコとしていた。
「んふふ……だって、嬉しくて……」
「……もう、好きなんだろ……」
「……うん。」
「なんで言わねえの?」
「……傑、から……連絡、きたから。」
「……は?」
「中学の時のLINEから、連絡先バレた……」
「……木之本さんは知ってんの?」
明希は頷く。
「そんで、なんで言わないってのに繋がんのさ。」
「木之本さんに……迷惑、かける……」
「……どうして。」
「傑が……バラしてもいいのかって……木之本さんが、俳優なのもバレて……」
「なにバラすって?」
「俺と、付き合ってるって……」
「スキャンダルにする気ってことか……」
「うん……」
「それは……確かに怖いよな……」
「……恋?」
「……俺も、赤津さんのスキャンダルにはなりたくない。あの人の邪魔はしたくない。」
そう話す恋の頬は少し赤くて、明希は目を疑った。
「ね、ねえ、恋。顔……赤い。」
「え……」
恋は明希に指摘されて頬を手で覆うと、さらに顔を赤くする。
(まるで……)
恋する乙女
その単語がぴったりだと言える。恋がこんな反応を見せるなんて、明希には信じられないことだった。
だが嬉しいことでもある。
「赤津さんのこと……好きなの?」
「わ、わかんない……」
恋は俯いた。
「もっと一緒にいたいって思ったり……頭撫でられて胸がキュってなったり……喜んで欲しいって思ったり、最近俺おかしいんだ……」
(それを恋してるっていうんだよ、恋……)
「……実は赤津さんの誕生日が来月でさ……それも困ってるんだよ。」
「誕生日か!」
(これを利用しない手はない……)
まだ恋はこれが好きだという気持ちだとわかっていないようだが、気づくのも時間の問題。ならば誕生日というイベントを利用して気持ちを伝えさせる。
明希はそう考えた。
「なにプレゼントするの?」
「それに困ってる。」
「まあまず、好きなもの聞いてみたらいいんじゃない?」
「……なるほど、わかった。今度休みが被ったら聞く。」
「ん。じゃあ話はそれからだな。」
「あ、その日クリスマスだし、明希も木之本さんに何か用意したら?それで、好きって伝えちゃうとか……」
「えぇぇ?!」
「いいじゃん?どうせクリスマス、もんぶらんで集まろうとか誰か言うだろうし。」
「か、考えとく。」
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