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episode.71 交錯
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※「もう一度、僕を呼んで」のepisode.11-6、11-7とリンクしています。
〜恋side〜
恋は木之本と2人で病院の近くの路地裏を片っ端から見て回った。
病院の近くにはたくさんの路地があり、割と入り組んでいる。おかげで探すのにはかなり時間がかかる。
「少し手分けして探しましょう。」
「わかった。でも見える位置にいてよ?」
「わかってます。」
木之本は恋のことも心配してくれている。
恋もそれはわかっていたので素直に従う。
いくつ目かの路地を見て、やはり収穫がないか、と思った時だった。
「……ぁ……あぁぁ!」
悲鳴にも似た叫び声が恋の耳に入った。
明希の声ではない。
見捨てる気にはなれず、恋は声の聞こえた方に向かった。
「何してるんですか?」
気がついたらそう声をかけていた。
男性が4人、拘束されている。
明らかに日本人離れした顔立ち。どう見ても外人だ。
「あぁ?誰だてめえ!」
「あ!俺こいつ知ってるわ。」
先ほどまで水色の目の少年に夢中だった男たちの目が恋に向く。
「AV男優の青木だろ。」
(BLAVなんて見ないタイプだと思ってたのに……)
「いいえ?よく似てるって言われますけど、あいにく人違いです。」
恋は動揺の色1つ見せず冷静にそう答える。
「どっちでもいいよ、こいつら助けに入ったんだろ?」
「はぁ、まあそうなりますかね。明らかに悲鳴と取れるような声が聞こえたので。」
恋は面倒だな、と思いながらちらりと水色の目の少年に目をやる。
何やら様子がおかしい。
ここで恋はピンときた。
そういえばこの4人は、ローデンス国のジュエライドとかいう人間たちではなかったか。
そうわかればなんとなく状況が掴めた。
きっとこの水色の目の少年はΩと呼ばれる人間だ。そして発情期とかいうものになってしまったのだろう。
(なんとかこの隙に逃げ出してくれないかな……)
恋はそう思いながら銀髪の男の方をちらりと見やる。
「おにーさんが俺たちの相手してくれんなら、この人たち解放してあげるよ。」
「そうですか。」
恋はなんとも思わなかった。仕事柄男の相手は慣れているし、別に嫌悪も何も感じない。
「たーだーし。1発につき1人。4人解放したけりゃ4発。どう、やる?」
男は挑発するようにそう言ってきた。
「いいですよ。応じましょう。」
恋がそう言うまでに間はほぼなかった。
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