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episode.72 不思議な出会い
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※「もう一度、僕を呼んで」のepisode.11-8、11-9とリンクしています。
〜恋side〜
自分でも驚くほど冷静だと恋は思った。
「抜けばいいんですよね?」
「なに、挿れるなっていいてえの?」
(路地裏で挿れる気満々かよ……)
「そりゃまあ。外でやるのは何かと面倒ですから。」
(汚れるのやだし……何より赤津さんに怒られそうだし、それはちょっと……でも今それを言っても仕方ない。)
「それとも抑えつけて無理やりする方が好みですか?俺はそれ嫌いなんですけど。」
恋はわざと煽るようにそう言う。
少しでも時間を稼がなければ。逃げるにしても何にしても自分1人でどうにかできるとも思えなかった。
「おもしれえやつ!俺こいつのことなかせてみたくなったわ。」
「なかせるってどっちよ」
男はぎゃははは!と下品に笑っている。
(そろそろかな……)
「あー、警察ですか?」
「警察?!やばくね?」
「行くぞ!」
路地の入り口で木之本がスマホを片手にわざと聞こえるような声でそう言う。
(ぴったり……よかった。)
恋は少しほっとした。
「もう、恋くん!!俺が怒られるんだから無茶しないでよ!」
「すみません、木之本さん。」
恋はそう言ってから、拘束されていた男たちの方に視線を戻す。
「あー、えーと、とりあえずどうしましょう。」
「なんかその子やばくない?」
2人で拘束を解いている時、木之本が水色の目の少年を見てそう言った。
「……ほし、い……」
「え?」
翔也は少年の声に不思議そうに声を上げる。
(もしかして木之本さんに惹きつけられてる……?)
「木之本さん、ちょっとその子から離れてください!」
「え?え?なんで?」
恋はこの少年に何やら事情があるらしいことを察した。
「あの、事情はわかりませんが、とりあえず人目を気にしなくて済むところに……」
恋はそう提案するものの、男たちは困った表情を見せた。
(日本語わからないのかな?)
恋がそう考えていると深青色の目の小柄な少年が紙を渡してきた。
"にほんご、あまりはなせません。ぼく、はなせるけど、こえ、でません"
髪にはそう書いてあった。
「そうだったのか……えーと、君は話していることはわかる?」
少年は頷き、また紙に書く。
"みんな、はなしていることはわかるけど、にほんご、はなせません"
「そうか…公用語は?」
"えいご"
「まじか!俺英語喋れないよ。」
「俺が少し喋れますから。」
紙を見て焦る木之本をなだめるように恋はそう言う。
「1番、年上の方は?」
年上と話すのが早い、と思い、恋がそう尋ねると、本当に日本語はわかっているらしく、銀髪の男が手を挙げた。
ぺこりとお辞儀をすると相手も返してくる。
恋は極力人目のないところに行った方がいいだろうということを提案し、話し合った結果、恋の家に移動することになった。
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