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episode.75 心の叫び
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※「もう一度、僕を呼んで」のepisode.12-3、12-4、12-5とリンクしています。
※玩具の描写があります。
〜明希side〜
恋たちがまだ、路地裏にいた頃。
「ひっ……!」
傑たちに捕まってから、時間が経つにつれ恐怖は増すばかりで、明希は今までより少し大きな悲鳴を漏らした。
その直後、コツコツと足音が聞こえた。
(どうしよう、また誰か増えるのかな……)
明希の全身がひどく震えた。
「おにーさんたち、何してるの?」
路地の入り口から声がして、明希の体はこわばる。
「傑ー。」
男の1人が傑を呼んだ。
傑は明希を弄ぶのをやめて立ち上がると、男たちの間を割って出て行く。
「どうしました?」
「どうしました、じゃないよ。」
相手はこの状況に違和感を感じているのだろう、声のトーンが少し低かった。
「ん?あー、勘違いしちゃいましたかね?別に誰かをいじめたりとかしてたんじゃないですよ?」
傑はそう言って取り繕った。
だが、相手の男は諦めなかった。
「じゃあそれ証明してよ?その奥に隠してるみたいで信じられないからさ」
穏やかな声色。だが相変わらず少しトーンが低い。
「仕方ないですね……少しお待ちを。」
傑は明希のそばに戻ってくるとさっさと服を直し、目隠しをとって軽く涙を拭くと立ち上がらせる。
明希は手を引かれて2人の男の前に傑と一緒に出た。
「俺たち恋人同士なので。こいつらは俺の友人だし、あなた方が心配するようなことは何もないと思いますよ。な、明希?」
名前を呼ばれて体がピクリと震えた。
「な、明希?お前からなんか言ってやってくれよ。俺たち恋人だよな?」
明希は必死に頷く。
"たすけて"
という言葉を飲み込んで。
全身はすごく震えているのに、声も出せない。
それに余計なことを言ったら翔也に危険が及ぶかもしれない。
男2人は英語で何やら話していて、黒髪の方は怒っているらしい。
男たちは何かを決めたのか、ふう、と一息つくと目元にかけていたプラスチック製の何かを外した。
「スグル、だったっけ?」
「はい?」
「その子さ、どう見ても君に怯えてるんだけど。」
ピンク色の髪の毛の男が先ほどより低い声でそういう。
「……あぁ、明希は人見知りですから、あなた方を見て怯えてるんですよ。」
(違う、そうじゃない。たすけて。)
明希は心の中で叫ぶ。
ふと、傑がポケットに手を入れた。
「ひぅ、ぅ……ぁ……」
先ほど傑が男から受け取っていたローターのスイッチだ。
それを入れられた。
「ひぁ?!や……す、ぐる……!」
明希は涙が目に浮かび、カクカクと震える。
「明希?明希からこの人たちに言ってくれないと、困るんだけどなぁ?」
「ぃ、あぁぁ!」
明希は足をガクガクと震わせて達してしまった。
(あっ……もう、いやっ……)
明希はしゃがみ込んで、震える体を腕で抱える。
「あ、の……俺、は……すぐ、るの……こい、びと……だから……ほっ、といて……」
(違う。違う……!たすけて、たすけて……!)
「……そうなんだ。」
ピンク色の髪の毛の男は明らかに不機嫌な声を出す。
「納得していただけました?」
(きっと……たすけて……くれないっ……)
明希がそう思った時だった。
「いや?申し訳ないけど、俺は自分のことしか信じないからさ。自分の考えに従う。スグル、お前、身の振り方を考えたほうがいい。」
ピンク色の髪の毛の男がそう言った。
「……俺たちが誰だかわかってんの?」
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