アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
episode.77 有名人
-
※「もう一度、僕を呼んで」のepisode.13-3、13-4とリンクしています。
※オメガバースについては「もう一度、僕を呼んで」の設定ページを参照ください。
〜恋side〜
道中で名前だけの自己紹介をし、恋の家に到着した。
恋の家はそれなりに広い。もともと恋の両親が将来恋の家族も同居できるくらいの広さで作ったからだ。
「レン、アキが見つかったそうだ。」
しばらくして銀髪の男、ハンス・ガイアーがそう告げてきた。
「本当ですか!よかった……木之本さん!明希見つかりました。」
その知らせに恋は少し安心する。
「まじで!!よかった……怪我とかないのかな?大丈夫かな……いや絶対大丈夫じゃないよね……」
木之本も心配ではあるものの、とりあえず見つかって安心したようだ。
「赤津さんにもとりあえず戻ってくるように伝えました。今説明すると長そうだったので……」
赤津に電話で説明するのはあまりに長い。なかなか伝わらないとも恋は思った。
「そうだね。琉、どのくらいで着くって?」
「2、30分くらいだそうです。」
恋は木之本と話しながら氷袋や大量のタオル、一つの洗面器に氷水、もう一つはお湯を用意する。
「ハンスさん、クレアさんにこれを。」
恋はそう言って用意したものを差し出す。
すると、金髪の男、ロン・ルクハルトがハンスに何か話しかけた。
「迷惑じゃなければ、レンにも手伝ってもらいたい。」
ハンスはロンの話を聞くとそう言ってきた。
「いいんですか……?その、クレアさんは、普通じゃないと……俺は思いましたけど。」
恋は水色の目の少年、クレアが何か事情を抱えていることはなんとなく察していた。
「……今は俺たちがやってもレンがやっても大した変化はない。ラズが付いているから変なことはしないと思うが……」
クレアは2階奥の部屋に寝かされていて、声の出ない少年、ラピスラズリ-ラズが付いている。
「木之本さんは入室禁止です。」
それなら、と恋は思い、自分は手伝うことを決め、木之本にそういう。
「えぇ!俺にも何か手伝わせてよ!」
「手伝う以前に、あなたが近づくことが危険です。この人たちはローデンス国の人です。俺たちとは違うんですよ。」
恋は高校から学校に通っていない。そのため恋の知識は全て独学だった。
日本と交易が盛んなローデンスについても独学で学び、オメガバースというものが存在することを知っていた。
「そうかぁ……」
木之本はそう言いながら今までかけていた伊達メガネを外した。その時だった。
「あぁぁぁ!!」
ロンが突然大声をあげ、3人全員が驚いた。
「どうした、ロン。」
ハンスがそう尋ねる。
するとロンは少し慌てたように答えた。
「キノモトさんは、俳優だよ!」
「俳優?ってことは……ショウヤ・キノモト?」
「あ、木之本さん、バレましたね。」
「やっぱ俺ってわかりやすいのか?」
恋は木之本と目を合わせ、クスクスと笑う。
「すまなかった。危うくスキャンダルにでもなるところだったんだな……」
ハンスが謝罪をしてきた。
さらにロンが言葉を紡ぐ。
「レン・アオキも俳優だよ。」
「そうなのか?」
ロンの言葉が本当なのか?と確かめるようにハンスは恋を見てきた。
「あー……俺のは俳優なんて呼べたもんじゃないですけどね。」
日本ではAV男優と赤津や木之本のような俳優との間に格差がある。
「これは……本当に申し訳ないことをした。」
「いや、いいんですよ。そもそもあなたがたの方が今の日本では有名です。」
現在日本はローデンス国王子来日に沸いている。
「そうなんだよねー。ジュエライド、だっけ?」
「あぁ。」
「日本人女性が大注目のイケメン集団だよ。それにその格好で外出たらバレバレだし。むしろよくバレずに路地裏まで引き込まれたもんだよ。」
ハンスたちの格好は確かローデンス国の兵服だったはず。ジュエライドたちはそれぞれ宝石名に従ってジャケットやペンダントをつけていたはずだ。
「まあ今はクレアさんの処置が先です。」
「そうだな。」
恋とハンス、ロンはクレアが寝かされている部屋に向かった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
88 / 832