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episode.81 お話、しましょう?
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※「もう一度、僕を呼んで」のepisode.14-5、14-6とリンクしています。
〜恋side〜
「あー……ベッド、移しますか?」
恋は2階に上がってそう提案した。
クレアと明希の部屋は隣同士。
明希の部屋にはベッドがもう1つあった。
それは明希と木之本が泊まりに来た時に用意したものだ。
「いいのか?」
「はい。2人一緒に見れたほうがいいし、もう少し皆さんと話してみたいですし。」
「それじゃあクレアを連れてくる。」
ハンスはそう言うとクレアの部屋に行き、ラズとクレアと一緒に出てきた。
「どうぞ。」
部屋に入ると明希はまだ眠っていた。
クレアは意識はあるもののボーッとしていた。
「適当に座ってください。」
恋はそう言って椅子を出す。
ラズはクレアが横になったベッドに座り、ハンスとロンは椅子に座った。
恋は明希のベッドに腰掛ける。
するとその弾みでか、明希が目を開けた。
「ん……?恋……?」
「明希、起きた?大丈夫?」
「……すぐ、る……は?」
まだ記憶が混濁しているのか、明希は少し震えている。
「大丈夫。俺の家だよ。」
「しょ、やさんは……?」
木之本の所在を尋ねる明希の目は不安に揺れている。
「大丈夫、下で別の人と話してるよ。」
「ひ、と……?」
「ん。明希のこと助けてくれた人。」
「……ぅ、あ……ごめんなさい、しないと……」
「大丈夫、怒ってなかったよ。」
明希はふと辺りを見回し、隣のベッドの周りに人が多くいることに驚き、体を硬くした。
「だ、だれ……?」
「俺と木之本さんが助けた人たち。大丈夫、悪い人たちじゃないよ。」
「そ、か……」
「驚かせてしまったのではないか?」
「大丈夫ですよ。」
「……英語だ。」
ハンスの英語を聞くと、明希は途端に目をキラキラとさせて反応した。
「……?どうかしたか?」
「あ、明希は大学の国際科に通ってるので……国際交流とかしたがってたから。」
「そうだったのか。ハンス・ガイアーだ。よろしくな、アキ。」
ハンスはそう言うと柔らかな笑顔で手を差し出す。
明希も布団から手だけ出してそれに応える。
体力の消耗からか、明希はまだ起き上がれないようだった。
「お話、しましょう?」
明希は嬉しそうな顔でそう言う。
「急に元気だな。」
「この人優しい。」
恋が突っ込めば、明希はそう言った。
「僕もお話したい!」
ロンもニコニコとしてそう言った。
「……ラズ、紙、もらえば?」
クレアは必要最低限しか言葉を発さないものの、嫌そうではなかった。
「もしかして、声出ないの?」
明希がそう尋ねると、ラズはこくりと頷いた。
特に表情に変化は見えない。
「れーんー、メモ帳出してー。」
「はいはい。」
恋は立ち上がると引き出しからメモ帳とペンをだし、ラズに渡す。
かくして6人の奇妙な会話が始まったのである。
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