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番外編 紘と千秋 1
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※番外編は媚薬・玩具などを使った過激な性描写や流血を含みますので苦手な方はご注意ください。
※時系列は本編、episode.95、96の後からだと思ってください。
※紘または千秋の語りのような形で話が進みますので、本編とは書き方が異なります。
〜千秋side〜
気がついたら狭い部屋に監禁されていた。窓とかそういったものは全くなく、僕の反対側に扉。
扉のすぐ隣に時計がかかっていて、時間が合ってるのだとしたら、今は深夜1時。日付が変わっていることになる。
さっきの明希さんみたいに手が壁に鎖で繋がれていて、口に布もかまされているらしい。
……ああどうして僕はこんなに冷静に分析してるんだろう。
「目が覚めた?」
俊蔵様……いや、もうそう呼ぶ必要もないのかもしれない。
俊蔵が部屋に入ってきて、手には箱を抱えてた。
嫌な予感がする。
「私の最後の悪あがきはね……」
俊蔵は箱の中身をガチャガチャといじっている。
そして小瓶を取り出し、にこりと笑った。
「君を壊すことだよ。」
背筋がぞくりとした。
どういうつもりなのか。全くわからなかった。
「紘は私に従順だったのに……君のせいで紘は変わってしまった。そんな紘への仕返しも込めてるんだ。紘は君のことが大切なようだからね。」
俊蔵が当主の座に着いてからというもの、確かに紘さんとはよく一緒にいた。
でも、紘さんが僕に特別な感情を抱いているみたいな言い方をする俊蔵の言葉は理解できなかった。
紘さんが僕を、じゃない。
僕が紘さんを、なんだ。
烏沢家に来て最初のうちは、紘さんも憎んでた。
でも気づいた。この人は普通の人なんだって。
気づいたら惹かれてて、僕は紘さんが笑ってくれないかなって思うようになってた。
紘さんはあまり笑わない。笑わないだけじゃない。泣かないし、怒らない。それは多分、いろんなものを押し込めて、現状に耐えてるんだってそうわかった。
だから俊蔵をなおさら失脚させたくなった。
家族の仇とか、もちろんそういうのもあったけど、僕の頭には紘さんのことがあった。
「さて、これを飲んでもらうよ。」
僕は抵抗しようとするけど、それは鎖がガチャガチャなるだけで、何にもならない。
「あんまり暴れると……」
俊蔵は懐からナイフを取り出して、僕の頬を傷つける。
恐怖からか、喉が、ひゅっと変な音を立てた。
痛みとかそういったものもあるけど、それよりただ、怖かった。
血が床にポタポタとたれて、体がガタガタと震えた。
「うっかり殺すかもしれないよ?」
狂っている。
そう思ったけど、抵抗して命を失うくらいなら好き勝手にさせといたほうがいいのかもしれない。
僕は恐怖の中でも冷静に考えた。
「ほら、これ飲んで?」
口元の布をずらされ、小瓶の液体を流し込まれる。
必死に飲み込むも、少し床にこぼれた。
「少しこぼしちゃったね?お仕置きだなぁ。」
俊蔵はそういって、僕の左腕に頬と同じように傷をつける。
「っつ……う……」
痛みに呻き声にもならないような音が漏れる。
「痛みと快感……恐怖と快楽、どちらが先に君を壊すかな?」
俊蔵の言葉の意味は、またもわからなかった。
でもすぐに、体が熱くなってきて、言葉の意味がわかった。
痛みはそのまま文字通りだけど快感っていうのは。
「では、始めようか。君を壊すための調教を。」
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