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番外編 紘と千秋 6
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〜千秋side〜
2月2日 18時 監禁3日目
もう嫌だ。死にたい。
いや、死ねない。死んだらダメだ。
俊蔵を警察に突き出すまでは……ダメだ。
意識を取り戻したのは、強い快感を感じたから。
意識がない間も、ずっと刺激を与えられていた後孔は徐々に昂ぶって、また達した。
ひゅーひゅーという息しかできなくて、苦しい。
それでもなお止まない後ろの刺激。
さらに気分が悪いのは、意識を失っている間に昔の夢を見たこと。
あの忌々しい日の夢。
父さんも母さんも、葉月も
みんないなくなったあの日。
僕は1人だ。
あぁ、そうだ、僕は1人だ。
死んだっていいじゃないか。
……いや、違うな。
紘さんが……待ってるって言ってた……
そうだ、紘さんのとこに行かなきゃいけないから……
僕は死ねないんだ……
もう気が狂いそうなのに
死にたいとばかり思うのに
紘さんの顔が思い浮かんだら
涙が出てきて
もう水分なんて僕の体に残ってないと思ってたのに
会いたくてたまらなくなった。
もう壊れてしまいたい。
全部投げ出して
何も聞きたくない。
何も見たくない。
でも、でも、そんなことになったら
紘さんのこと、見えなくなるから。
紘さんの声が聞こえなくなるから。
だからダメなんだよ。
死んだら二度と
紘さんに会えない。
僕は、紘さんの存在だけで、心を保っていた。
与えられる刺激で、体は嫌でもイかされて
もう吐き気さえしてくる。
水だけは与えられたみたいで、喉は潤ってた。
また、扉が開く。
絶望にも似た感情が心を支配したけど
やっぱり頭の中には紘さんがいて
そのおかげで、なんとか自分を保っていられた。
「あぁ、いい顔になったなぁ。もうそろそろ限界なんじゃないかい?」
もう言葉を発する力も残ってない。
俊蔵の手にはナイフが握られてて、体が震えた。
怖い。怖い。怖い。頭の中は恐怖だけ。
紘さん、助けて。紘さん……紘さん……
「紘は来ないよ。」
……………………え?
「紘は、来ない。ついさっき、捕まえたのだよ。その辺をうろちょろしていたからな。」
ドクンドクンと、心臓だけがうるさいくらいになってて
頭は全く動いてくれない。
「そんなに紘が大事なのかい?それなら、紘を壊してしまおうか。」
紘さんが……?
「初めからこうすればよかった。紘を壊してしまえば、君は簡単に壊れる。違うかね?」
あぁ、もう
どうだっていいや。
紘さんがいないなら
僕死んだっていいよ。
僕の命なんてそんなもんなんだから。
父さんも母さんも葉月も守れなかった僕の命なんて
軽くて軽くて、薄っぺらいんだから。
俊蔵はナイフで僕の体をめちゃめちゃに切りつけてきたけど
不思議と痛くはなかった。
もう死んだのかな。
だから痛くないのかな。
紘さんごめんね。
僕のせいで、紘さんまで壊されちゃったんだ。
あぁ、また涙が出てきた。
紘さん、紘さん、紘さん……
もう一回だけでいいからさ……
僕のこと呼んでよ……紘さん……
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