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episode.110 会議
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〜恋side〜
3月15日 13時
「思ったよりひどい顔してる……」
大学の講義を終えた明希は恋の家にやって来ていた。
千秋もまだ恋の家にいる。
そんな2人の前にいる恋は目が真っ赤に腫れていて、顔色もあまりよくなかった。
"昨晩、実は……"
千秋には昨晩、小雪に言われたことを伝えてある。
その結果、明希も呼んで3人で会議をすることになった。
小雪と赤津は当然仕事で、恋は今日は夜から仕事だった。
「小雪さん、すごいね……」
「俺勝てる自信ない……」
"でも、赤津さんは恋のことが好きなんじゃないの?"
「そうだよ?」
千秋の言葉に、明希はなんでもないことのように即答する。
「違う……それは、契約だから……」
"契約?"
「うん……だから、赤津さんの優しさは演技だもん……」
「うーん……」
"本当に演技なのかな?"
「だって……赤津さんは演技にのめり込むタイプだって、俺最初に思ったことあるし……」
恋はそう言って俯く。
「ん……え?!会った頃のこと思い出したの?!」
「え……」
恋は明希にそう言われて、不思議に思った。
そういえば当たり前のように頭に思い浮かんだことを言ったが、自分には記憶がないはずだった。
「そういえば……」
「よかったじゃぁぁぁん!!それ赤津さんに言った?言わないと!」
「い、いい!言わなくて、いい……」
"恋……もう少し、自分をアピールしてもいいと思う。"
「そうだよ!」
「……だって、嫌われたくないんだもん……」
毎度お決まり、ソファの上でクッションと膝を抱えていると、明希と千秋が恋を見て固まっている。
「な、なに……」
「……恋ってこんなに可愛かったんだね。」
"今、僕が落ちそうになった。"
「は、はぁ?!」
「だってさ、昔の恋は、その、恋愛とか嫌い!って感じで、こういうところ見たことなかったからわかんなかったけど……」
"そうだったんだ……"
「そうだよ。だけど、なんか、今の恋はちゃんと恋してるって感じで、しかもすごい可愛い。」
"それは同感。"
「恋する乙女って感じだ。」
「お、乙女じゃねーよ!!」
「可愛い……恋可愛い!!ねえ、千秋、俺いいこと考えちゃった。」
"なに?"
「赤津さんが、契約とかそんなんじゃなくて、絶対に恋が好きだって思うようになればいいわけじゃん?」
明希は、赤津は契約など関係なしに恋のことを好きなんだと思っているのだが、恋はそんなこと知る由もない。
「そんなことできるの?」
「そのために、俺と千秋がいるんだよ?」
"え、僕も?"
「題して、恋にメロメロ特別作戦だ!」
3人の特別作戦は始まったばかりなのだった。
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