アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*07
-
※軽めの男性妊娠の描写があります。
〜恋side〜
7月23日
勢い余った琉のプロポーズから2日。
結婚の話はじっくり考えようということになり、今も日常が続いている。
『木之本さん、新婚生活はどうですか?』
『もう毎日幸せですね。』
テレビに流れているのはバラエティ番組。
翔也と琉が出演しているものだ。
恋は紅茶を飲みながらそれを見る。
『新婚旅行はどちらに?』
『今月の初めに、ローデンスに行きました。』
『ローデンスかいな!ロマンチストやなぁ!』
『そんなことないですよー!』
『赤津さんは木之本さんとはプライベートも親交があることは有名ですが、木之本さんのお相手に会ったことはありますか?』
『ありますよ。』
『どんな子なん?』
『健気で可愛い、いい子ですよ。』
明希の話が盛り上がっている。
それもそのはず、翔也には今まで、そういった噂は全くなく、今回が初めて。
みんなの興味も引くはずだ。
『赤津くんはそういう相手はいないんかぁ?』
『どうですかねぇ!』
当然それは、琉も同じことで。
『それはいらっしゃるということでいいんですか?』
『秘密です。』
(聞いてるだけで恥ずかしいや……)
恋はテレビを消し、買い物のために外に出る。
スーパーに着き、商品を見ているときに、ばったり知り合いに会った。
「九十九さん?」
「あ、恋くん!」
烏沢の事件を担当していた九十九遥だ。
「あ、ちょうどよかった!これ、みんなに渡しておいてくれないかな?」
そういって遥がバックから出したのは6枚の結婚式の招待状。
「あ!鈴木先生と?」
「うん。時期はずっと迷ってたんだけど、実はね……」
遥は恋の耳元に口を寄せてくる。
「俺妊娠しちゃって。」
「……えぇ?!お、おめでとうございます。何ヶ月なんですか?」
「へへ……もうすぐ4ヶ月。」
「ということは予定日は……」
「1月から2月頃の予定だよ。」
そう言う遥はとても優しい顔をしていて、恋まで幸せな気持ちになってきた。
「だから挙式が急でさぁ……来月の頭なんだけど、みんな予定つくかなぁ?」
「赤津さんと翔也さんは夏休みが2日か3日くらいあるはずだし、明希ももう夏休み入ってますから多分大丈夫ですよ。紘さんはちょっとわからないですけど……」
「ほんと?とりあえずそれ、みんなに渡しておいてもらってもいいかな?」
「はい!もちろんです。つわりとかないんですか?」
「うーん、なくはないけど、ひどくはないよ。」
「そうですか。お体お大事にしてくださいね!」
「うん、ありがと。」
それから2人で買い物をしながら話をして、スーパーを出て別れた。
家に帰り、男性の妊娠について、恋は調べ始めた。
なんとなく気になっただけなのだが。
「へぇ……結構ちゃんとしてるんだ……」
薬剤を投与し、2ヶ月から3ヶ月で子宮の代わりになるものができるらしい。そこからは毎月排卵があり、生理と似たような症状も出るのだとか。
妊娠すると腸内に仕切りができて、便の通り道と胎児の通り道は分かれるのだそう。
「……っていうか俺は何調べてんの?!」
確かに、最近街中でもお腹の大きな男性を見かけるようにはなったが、そこまで考えたことはなかった。
ふと、明希と翔也のことが頭に浮かんだりしたこともあるが、身近に実際にそういう人がいると、全然違うものだ。
「……よし。招待状配りに行こう。」
恋はソファから立ち上がり、明希の家と千秋の家に向かった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
198 / 832