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〜琉side〜
7月28日
「暑いな…」
「本当ね…」
「夏真っ盛りだな。」
琉、翔也、紘の3人は毎度恒例、紘のオフィスに併設されたカフェにいた。
3人で集まるときは大抵ここだった。
「プールとか海とか行きたいよね。」
「去年は旅行行ったしな。」
「でも2人とも仕事忙しいんじゃないのか?」
「まあまあですかね。でも、ちょこれーとのメンバーでどっか行きたいって、恋とか思ってるだろうし、予定つけたいですね。」
ちょこれーと、というのは6人のグループ。
なぜこうもグループ名が甘いものなのかというと、恋、明希、千秋が甘いものが好きで、翔也が気分でグループ名をつけるからなのだ。
なんでも、恋、明希、千秋のグループはしょーとけーき、というらしく、もんぶらんに対抗するように作ったらしい。
「今年はまとまった休みってより、ちょこちょこ休みが多くない?」
「あぁ。新しいドラマは翔也と一緒だから、休みも大抵一緒だけどな。」
琉が新しく出演が決まったドラマは、翔也も準主役として出演で、撮影スケジュールがほぼ同じだった。
「俺も少しは仕事が片付いて、8月なら休みが取れそうだよ。」
「じゃあみんなでどっか行きますかね。」
「…プールとか行きたいんだけどさ。行きたいんだけど、心配。」
「あー…明希はなぁ…」
複雑な表情をする翔也に、紘も笑った。
「あの3人ってどこか危なっかしいんだよなぁ。中でも明希くんはどっか、こう、男を誘うような雰囲気があるんだよな。」
「恋くんは色気あるし、千秋ちゃんは知識乏しすぎだし。」
「でもまあ、離れなければ大丈夫だろ。」
「それもそうですね。」
紘の言葉に琉は頷く。
「んじゃプールにでも行きますかー!」
「花火とかも見たいな。」
「いいですねー!ちょこちょこ休みあるから、行きましょうよ。」
「そういえば、九十九さんたちの結婚式、休み取れたか?」
「俺もともとその日はOFFだったんで。」
「ドラマ撮影がずれたんでいけます。」
紘の問いに琉と翔也がそう答える。
「よかったな!……あのさ、今思い出したんだけど。」
「どうしました?」
「…明希と翔也の結婚式のブーケトスって、九十九さんが取ったよな…?」
「…そういえば!!」
紘の言葉に翔也もそのことを思い出した。
花嫁からのブーケトス。
ブーケを取ったものは次に結婚できるという言い伝えのようなものがある。
「今回取った人も次に結婚したりしてな。」
「そうなったら面白いですねー。」
「あ、それで思い出したけど…俺、恋にプロポーズした。」
「「………え?!」」
(かくかくしかじか)
「まじか。家族の前で公開プロポーズ!!」
「琉やるな…」
「まあじっくり考えていこうって事になったけど。」
「そりゃそうなるよ。」
翔也はクスクスと笑う。
「あ、そうだ、この前、千秋くんと明希くんがうち来てたけど、なんか言ってた?」
「なんかって?」
「いや、なんか話聞いたかな?って。」
「うちはなんも聞いてない。」
「うちも特には…今日はチーズフォンデュパーティなんです!!って明希ちゃんが言ってたのはすごく可愛かったけど。」
「やっぱそんな感じだよな…帰ってきたらなんかすっごいご機嫌でさ。なんかいいことあったのかなって思ったんだけど、秘密ですって教えてくれなくて。」
「3人で何話したんだろうな?」
「…なんか3人で集まって話してるところ想像すると、にやけるのって俺だけ?」
「いや、わかる。」
翔也の問いに琉は即答した。
「可愛いよな。」
「チーズフォンデュ食べながら話してるところとか、可愛い以外の何物でもない…」
「はふはふしながら食べてんのかな。」
「普通にそのまま喋ってそうだよな。」
3人はそれを想像して少し黙る。
「…見てえ…」
琉はポツリとそう呟いた。
「一回あの3人の会話聞きたいよね。」
「俺たちがいない時どんな話してるんだろうな?」
翔也と紘もそう言う。
「なんの話したんだ?って聞くと決まって顔を真っ赤にするんだけど、どういうことなんだ?」
「…俺たちの話してるとか?」
琉の疑問に翔也がそう言うので、3人は少し考えた。
・・・。
「「まさかな。」」
そのまさかです。
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