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〜琉side〜
ご飯を食べてからも煌と貴也は、はしゃぎまくっていて、遊び倒した9人は着替えて外に出てきた。
「そろそろホテル行く?もう貴也と煌くんが限界っぽいよ。」
翔也にそう言われて椅子に座る2人を見れば、恋と千秋に寄りかかってほぼ寝ている。
「あーあ…」
奏はそれを見てクスクスと笑った。
「あ、母さんが迎えに来てるって。煌は明日午後から部活だから今日連れて帰るってさ。」
琉はスマホの画面を見てそういう。
「んじゃ俺が貴也くん運びますよ。」
「え、悪いからいいよ!俺が運ぶ!」
奏の提案に翔也がそう言う。
「いや、明希さんも眠そうだし。」
「…あー…本当だ…」
だが、明希も貴也の隣でウトウトとしていて、今にも寝てしまいそうだ。
「翔也さん。貴也くん俺と同じ部屋ですよね?」
「えー、あ、うん。ツインの部屋とってある。」
奏に聞かれて翔也は頷く。
「じゃー、やっぱ俺運びます。」
「じゃ、翔也は明希くん運んでな。煌は俺が車まで運ぶわ。」
琉がそう言い、翔也が頷く。
「ホテルまで何分くらいだ?」
「歩いて10分!近いとこ取りましたから。」
4人は椅子で待っている5人に近づく。
「あ、琉さん、煌くん完全に寝ちゃったんですけど。」
「ん、いいよ。母さんが車で迎えに来てるから、そこまで俺行くから。」
「わかりました。」
琉は煌をおぶる。
「貴也くん、大丈夫?」
「うー……にゃぅ…」
「猫みたい。」
奏はクスクス笑いながら、千秋に寄りかかっていた貴也をおぶる。
「さて、明希ちゃん、行くよー。」
「んー…」
明希は立てるようで、翔也に手を引かれて歩き出す。
千秋と紘、恋も歩き始め、琉は駐車場の方へ、奏は恋たちと並んで歩く。
琉はすぐに戻ってきて、8人でホテルへ向かい始める。
「ふあぁぁ…眠い…」
「恋もおぶってやろうか?」
「いいですよ!歩けます!!」
「あー、恋さん、しー。貴也くん起きちゃう。」
「あ、ごめん。」
「そんなやつ叩き起こして歩かせなよ。」
「疲れたんだろ。寝かせてやれよ。」
容赦ない容赦に紘がそう言った。
「奏くんに悪いじゃないですか。」
「大丈夫ですよー。貴也くん軽いし。」
「…お前、わかってるよな?相手は中2だからな?」
ふと、琉が奏の方を見てそう言った。
「?なんのこと?」
「…俺の勘が外れてればいいんだが。」
「大丈夫だよー。今はね。」
「…意味深だな。」
「…紘さん、なんの話?」
千秋は紘の服をクイっと引っ張り、恋も不思議そうに琉を見つめる。
「恋と千秋くんは知らなくていい話。」
「あー、俺わかっちゃったー。奏くんも物好きだねえ。」
翔也はそう言って笑う。
「3年後には手出してるかもしれないっすね。」
恋と千秋はますます首をかしげる。
「あー、明希くん大丈夫か、それ。」
明希はよほど眠いのか歩きながらでも瞼が閉じてしまいそうだ。
「明希、転びそう。」
「意外とちゃんとしてるから大丈夫だよ。」
千秋が心配しているが、恋はそう言った。
「こんなに眠そうなの初めて見たなぁ。」
翔也がそう言うので、琉はあることを思い出した。
「そういえば最近、明希くん夜寝れてるの?」
「ん?まあ普通に寝るよ。たまに起きちゃうだけで。起きた時、暗いと怖がるから電気つけっぱなしってだけで、睡眠時間は割と普通だよ。」
「やっぱりまだ暗いのはダメですか?」
「うん。まだ無理みたい。たまに電気消して寝るのにチャレンジするけど、やっぱりガタガタ震えてるから見てられなくて俺がつけちゃう。」
「今度鈴木先生に相談してみたら?あの人心理学もかじってたよな?」
「あー、そういえば。聞いてみよ。」
そんな話をしているうちにホテルに着き、チェックインを済ませてそれぞれの部屋に行く。
「わ…広い。」
恋がポツリと呟いた。
ホテルのベットはクイーンサイズ。
家にあるベットより少し大きく、部屋はかなり広めだった。
翔也にすべて任せたらこうなったらしい。
「シャワーあびる?」
「はい。」
「うわ、浴室までこんなかよ。ローデンスの城思い出すな。」
浴室を覗いた琉は思わずそう呟く。
部屋もかなり広めだったが、浴室はローデンス王城の部屋に備え付けられていたものに匹敵するのではないかと思った。
広さこそさすがに敵わないが、浴槽に浮かべるための花や、目で楽しむための花、アロマなど様々なものが置いてある。
琉はふと、恋は花が好きだから喜ぶかもしれないなどと思いながら浴槽に湯を張る。
「恋、風呂…」
入るぞ、と言いかけて、琉は口をつぐむ。
恋がソファでスヤスヤと眠っているのだ。
おそらく座っていたのだろうが、耐えきれなくて横に倒れこんだのだろう。
みんなの前では我慢していたのだろうか。
「ったく…体痛くなるだろうが。」
そんなことを呟きながら、ソファに座り、恋の体をしっかりソファに寝かせて、頭は自分の膝に乗せた。
そのまま頭を撫でてやれば、恋は柔らかい表情で寝息を立てる。
壁にかかっている時計を見ると、時間は17時だった。
翔也が、19時には夕食のバイキングがあると言っていた。
まだ寝かせておいてもいいな、と思い琉はそのまま恋の頭を撫でていた。
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