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〜恋side〜
「ん…」
「起きた?」
目を開けると、優しく笑う琉と目があう。
「…ご、ごめんなさいっ!」
恋は慌てて飛び起き、謝る。
「なんで?俺がこの体勢にしたし、気にすんな。」
琉は恋の頭を優しく撫で、そう言う。
「今何時ですか…?」
「ん?まだ18時だよ。シャワー浴びる?」
「はい。琉さんも入ってないですよね?ごめんなさい…」
「はい、もうそんなに謝んないの。ほら、行こう。」
琉に手を引かれ、浴室に向かう。
「…え?!一緒に入るんですか…?!」
「ダメ?」
「あ、え…と…」
恋は顔を真っ赤にして俯く。
ダメと言えない自分が、また恥ずかしかった。
「ダメじゃ…ないです…」
琉はそれを聞いてフッと笑うと、服を脱いでいく。
「ほら、入るぞ。」
そう言われ、恋も服を脱ぐ。
浴室は2人で入ってもまだ余裕なくらい、十分な広さがあった。
「うわぁ…綺麗…!」
たくさん花があり、恋は思わず声を上げた。
「だろ。浴槽に浮かべられるんだってさ。」
琉はそう言いながら蛇口をひねり、浴槽の湯をもう一度張り直す。
「ま、洗ってる間に溜まるだろ。」
そう言って琉はシャワーを出すと頭からかぶった。
恋はじっとその様子を眺める。
いつも思うことではあるが、琉は筋肉が程よくついていて、恋としては羨ましい体つきである。
男らしいというか、イケメンにふさわしい体格というか。
「?どうした?」
「なんでもないですっ…」
いつもと違い、水に濡れてオールバックになった琉が振り返り、恋は慌てて目をそらす。
「れーん。おいで。」
言われて琉に近寄る。
「洗ってやるからじっとしてろよー。」
琉はそう言うとシャンプーを手に取りワシャワシャと恋の髪を洗い始める。
髪を洗い終えると今度はボディソープを手に取った。
「琉さん…なんか…エロいです。」
「そんなことねえけど…」
琉はそう言いながら笑う。
「んでも、恋が可愛いからさ。今日、プールでいろんな人に触られてたから、お仕置きな。」
「ど…どこのAVですか!!」
恋は顔を真っ赤にしてそういう。
「ははは!大丈夫だよ。まだシないから。夜のお楽しみな。」
琉はそう言い、恋の体を丁寧に洗う。そこに確かに下心は感じられなくて、恋は琉に身を任せる。
「…よし。おしまい。」
シャワーで恋の体を綺麗に洗い流し、琉は自分もさっさと体を洗うと、湯船につかる。
「恋、おいで。」
花の浮かんだ湯船から、琉が手を伸ばす。
恋は素直に従って入る。
入浴剤を入れたから、お湯は乳白色で、湯に浸かれば体は見えなかった。
「ほら、こっち。」
琉に腕を引かれて、後ろから抱きしめられる。
「ちょ、これ恥ずかしいです…」
「まあいいじゃん。」
琉にぎゅっと抱きしめられ、温かいお湯につかる。
それは、恥ずかしいながらも、不思議と心が落ち着くことだった。
「今日ちょっと怖かった?」
琉にそう言われ、恋は驚く。
「ナンパ。怖かったろ?明希くんと千秋くんがいるからって、恋が表に立って。でも怖かったんだよな?」
琉の優しい声色。
恋は泣きそうになった。
「無理しなくていいぞ。俺には怖いって言っていい。」
昼、確かに怖かったのだ。
明希や千秋のように、怖くてたまらないというわけではないが、腕を掴まれた時、その力の強さに、少し恐怖を感じたのは事実。
「泣いていいんだぞー。」
琉はそんな恋の気持ちを知ってかしらずか、優しく頭を撫でながらそう言う。
「っ…ぅ…こわ、かった…です…」
「よしよし。よく我慢したな。」
まるで幼子をあやすように、琉は頭を撫で、恋を抱きしめた。
「ふっ…ふぅ…ふぇぇっ…」
琉の温もりや優しさを感じて、恋の目からは涙がこぼれた。
「恋、こっち向いて。」
そんな恋を優しく自分の方に向かせた琉は、またぎゅっと抱きしめ、頭を撫でる。
「もう大丈夫だからな。」
もしかして、琉は、これを言わせるために一緒に風呂に入ったのだろうか。
緊張が解けて、落ち着いたからこそ話せた。
最初からこのつもりだったのだろうか。
「りゅ、さん…ありがと、ございます…」
「いいからいいから。」
そっと琉の背中に手を回しながら、恋は琉のことが、改めて好きだと実感するのだった。
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