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〜恋side〜
11時
「ふぁぁ…ねむ…」
「今日お休みですか?」
「ん?うん、今日は休み…」
「少し寝てきたらどうですか?」
恋は家事をしながら、あくびをしている琉に声をかける。
「んー…そうしようかな…ジルから連絡きたら起こしてくれよ。」
「いくらなんでもまだ来ませんよ…さあ、休んで来てください。」
「はいはい…小雪も悪いな。」
「いえいえー、お構いなく。僕は恋さんと話してるから。」
「手出したら許さん。」
「出さないって。」
琉はもう一度あくびをして寝室に向かった。
「…さて。買い物行きますけど、小雪さんも行きますか?」
「行く行く!」
恋と小雪は軽く用意をして家を出る。
「「あ」」
外に出ると隣の家から出てきた紘と千秋と出くわした。
「小雪さん?」
「あれ!千秋ちゃんが話せるようになってる!!」
「え、え?なんで日本に…?」
「あーそれはね…」
小雪は、朝、恋たちにした説明をもう一度千秋たちに説明する。
「どうりでローデンスの商人と連絡がつかないわけだ…日本では全くニュースになってないな。」
千秋は小雪をじーっと見て、何か言いたげである。
「あー、千秋、前の小雪さんとは違うから。」
「…そっか。ならいいや。」
「あはは…前はごめんね。まあ僕、人のものには興味ないから、心配しないで!」
小雪がそう言うと千秋は警戒を解いたようだった。
「ところでどこ行くんだ?」
「あ、近くのスーパーまで買い物に。紘さんたちは?」
「俺たちも買い物。千秋がそろそろ慣れてきたし、そういうとこ行くのもいいかなって思って。」
「じゃあ一緒に行きましょうよ!」
「いいんですか?」
小雪の言葉に千秋が嬉しそうにそう聞く。
「うんうん!恋さんが良ければ僕は構わないよ!というか紘さんが良ければ、って感じ?」
そう言われて、千秋は紘を見やる。
「千秋がしたいようにしていいよ。」
紘はそう言って千秋の頭を撫でた。
「じゃあ…一緒に行きたい…です。」
「ん、じゃあ行くか。」
4人で歩き始め、スーパーに向かう。
土曜の昼間だからか、家族連れが多かった。
「小雪さん、食べたいものありますか?」
「恋さんの自信作!」
「自信作…?ないですけど…」
「恋は何作っても美味しいよね。」
「そんなことないよ。」
「恋さんの手料理、確かに全部美味しかった記憶あるなぁ…じゃあ焼肉パーティーしよー!」
「な、なぜパーティー?」
「小雪さんの帰国パーティー、でいいんじゃない?」
「千秋ちゃぁぁぁんっ!!」
小雪が千秋にぎゅうっと抱きつく。
「わわわ、危ない。」
それに揺らいだ千秋を紘が受け止める。
「はいはい、はしゃがない。」
恋には紘がお父さんに見えてきて、クスッと笑った。
「翔也さんたちも呼んだらダメかなぁ?」
「琉さんなら怒らないと思いますよ。」
「じゃあ呼ぼう!!明希ちゃんにも声かけてもらえる?」
「あ、じゃあ明希に連絡しておきます。翔也さんにも伝えるように言っておきます。」
「ありがとうっ!」
「…小雪さんって本当はこういう人なんだね。」
千秋がクスクスと笑いながらそう言う。
「うん、そうみたい。俺もちょっとびっくりしてる。」
恋もそう言って笑った。
「じゃあシャンパンでも買って帰るか?」
「飲む飲む!僕実はお酒強いからねー。」
紘の提案に小雪はノリノリだ。
「…嘘だろ?」
紘は信じられない、という顔をする。
「嘘じゃないですよ。すぐ眠くなるのは本当だけど、本当に酔っ払いやすいのは恋さんみたいな人ですよ。」
「…まじか。じゃあ強いのでもいけるな。」
「大丈夫ですよー。」
紘と小雪がシャンパンを物色しに行き、恋と千秋は肉や野菜を見る。
「2人きりにしてもいいの?」
恋がそう聞くと、千秋は微笑んだ。
「うん。今の小雪さんは、前の小雪さんと全然違うし、そういうのは心配してないよ。」
「そっか。…あ、明希から返事。」
「なんだって?」
「了解、だって。」
「恋さーん!!僕が奢るからケーキ買って帰ろう!」
小雪がこちらに戻ってきながらそう言う。
「い、いいですけど…スーパーなんであまり目立たないように…」
小雪は自分が有名人だということを忘れて行動する節があるらしい。
「とりあえず買うもの買って出て、ケーキ屋に寄ろう。」
紘も戻ってきた。
「こっちはもう必要なもの入れましたから。シャンパン決まりました?」
「うん、これは俺からの帰国祝いってことで。」
「じゃあこれ買ってきますね。」
会計を済ませ、ケーキ屋に寄る。
「好きなの選んでいいよー!明希ちゃんとかが好きそうなのも選んでー!」
「わぁ…」
千秋は初めて来たのか、目をキラキラとさせてケーキを眺めている。
「少し多めに買ってもいいぞ。」
そんな千秋を見て、紘がそう声をかけた。
「本当ですか…?」
「うん。好きなの選んで。今日のとは別に買って家に置いておけばいいよ。」
紘の言葉に、千秋は嬉しそうに笑ってケーキをまた眺める。
「恋さんはどんなのが好き?」
「なんでも好きですよ。いちご好きなのでショートケーキとか好きですけど。」
「あ、じゃあこれは?」
小雪が指さしたのは、ケーキの周りにチョコスプレーがついているショートケーキだ。
「美味しそう…」
「じゃあこれにしよっか!あとは…翔也さんはこれでいあかなぁ?」
「コーヒーのロールケーキですか。いいと思います。」
「明希ちゃんは?」
「あ、明希はこれで。」
恋が指さしたのはチョコレートケーキ。
明希はこの店のチョコレートケーキが大好きだ。
「了解!琉さんどうしよっか…」
「…モンブランとかどうですか?」
「お、いいね!紘さんたちはどうしますか?」
「俺と千秋の分は俺が買うわ。他のも買うから。」
「わかりましたー!すみません!」
「はい!」
小雪が店員に声をかける。
「このショートケーキ2つと、チョコレートケーキ1つ、あとロールケーキのコーヒー1つと、モンブラン1つお願いします。」
「はい、かしこまりました。」
「こっちもいいですか?」
「はい、どうぞ!」
「いちごタルト1つと、チーズケーキ2つ、あとフルーツケーキ1つ、ティラミス1つでお願いします。」
紘もそのままオーダーした。
「かしこまりました!ドライアイスどうなさいますか?」
「両方とも30分でお願いします。」
「かしこまりました!ありがとうございます。こちらお品物になります。お会計が…」
会計を済ませ、4人でまた帰路につく。
家に着き、琉が仲間外れにされた、と言って拗ねてしまって、恋と小雪は顔を見合わせて笑った。
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