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〜琉side〜
18時
恋も琉も入浴を済ませ、鉄板を出して焼肉の用意をする。
…のだが、琉は恋が着ている部屋着が気になって仕方がない。
「…恋、それなんだ?」
「はい?あ、小雪さんがくれたんです。ローデンスで話題の、着心地のいい部屋着らしいです。確かに肌触り気持ちいいですし、今の時期には涼しくてちょうどいいです。」
それはいいのだが、その部屋着のデザインが気になるのだ。
小雪とお揃いらしく小雪も同じものを着ている。
どうも猫がモチーフになっているらしい、フードパーカーの部屋着なのだが、フードに耳と、パーカーの後ろに尻尾らしきものがついている。
(…可愛すぎる。)
小雪と恋が歩くたびにぴょこぴょこと尻尾らしきものが揺れるのだが、下は短めのズボンのため、本当の猫のように見える。
「…理性が…」
琉は1人そう呟いて顔を手で押さえる。
小雪に特別な何かなどなく、おそらく恋に似合うとかいう理由で買ってきたのだろうが、無防備な恋がそんな格好をするなど、琉にとっては一種の拷問だ。
琉が無になろうと必死にドラマ台本を思い出していた時、インターフォンがなる。
「琉さん、出てもらえますか?」
「おー。」
手が離せない恋の代わりに玄関に向かい、鍵を開ける。
「…琉、疲れているのか?」
外にいたのは紘と千秋だ。
「…入ればわかりますよ。それは?」
「シャンパンとケーキだ。」
「…シャンパンの度数高めですね?」
「小雪はお酒に強いらしいぞ。」
「…まじか!!あ、とりあえず中どうぞ。」
「お邪魔します。」
「お邪魔します…」
2人を連れてリビングに戻る。
「いらっしゃい。」
「どうもー!」
「…うん、わかったわ。」
「…でしょ…」
紘と琉の気持ちをよそに、小雪、恋、千秋は会話を始める。
「それ可愛い。2人とも似合ってる。」
千秋は恋と小雪の格好を見てそう言った。
「でしょー!実はね…」
小雪はトタトタとどこかに消え、また戻ってくる。
「じゃじゃーん!明希ちゃんと千秋ちゃんの分もありまーす!!」
「本当に…?!嬉しい!」
「せっかくだし着てくれば?」
「明希来たら一緒に着替えようかな。」
「みんなお揃いなの!さすがに琉さんたちが着たら吹くなって思ったから3人分だけ買ったー。」
琉と紘は顔を見合わせ、なんとも言えない表情をする。
可愛い姿が見られるのは嬉しいのだが、その分理性と戦わなければならなくなるのだから複雑だ。
そんな2人をよそにまたインターフォンがなる。
恋が玄関に向かい、明希と翔也と戻ってきた。
「お邪魔しまーす!」
「ごめん、遅かった?」
「いや、大丈夫。」
謝る翔也にそう言う琉はやはり複雑な表情だ。
「恋と小雪さんの服お揃い?」
「ん?あー、うん。」
「明希ちゃんと千秋ちゃんの分もあるよー!」
「えー!本当ですか!!」
「うんうん!4人でお揃いだから。」
「せっかくだから着替えてこよー!」
明希はもらった服を嬉しそうに抱えてそう言う。
「うん。恋、上の部屋借りていい?」
「うん、どうぞ。」
明希と千秋がリビングを出て2階に、恋と小雪はまた準備を再開する。
「え、なにこれ新手の拷問?」
「男なら耐えろ。」
状況を理解した翔也に、琉はそう言って肩を叩く。
「生殺しかよ。」
琉たちは無になろうと決めて、シャンパンの用意を始める。
しばらくして明希と千秋が戻ってきた。
「小雪さん…これズボン短い!」
「そうかなぁ?それ恋さんも言ってたけど、短いとなんか困ることでも…………あったか。」
そう言う小雪の視線の先には、明希の白い太もも…にある赤い痕。
「んもう、翔也さんのえっちぃ。」
「えー?自分のパートナーにマーキングしてなにが悪いの?」
何のためらいもなく翔也がそう言うので、明希は真っ赤になって俯く。
「まあとにかくみんな座って食べよう。」
琉の言葉に、みんなで座って食事を進める。
他愛もない話をしながらの食事はなかなか楽しかった。
琉たち4人はシャンパンも進み、食事が終わる頃には、気分はほろ酔いだった。
「紘さんってお酒強いですよね。」
「ん?まあ…ザルだからな。」
紘はお酒を飲んでも顔色が変わらない。
「そう言う琉もお酒強いよ。この中なら俺が1番弱いかも!小雪ちゃんもかなり強いし。」
「まあ他の人よりはみんな強いと思いますよ?」
そんな話をしていると、後片付けをしていた3人が戻ってくる。
「…ひと口飲んでみる?」
じーっとお酒を見つめていた明希に、翔也がそう声をかけた。
しかし明希は首を振る。
「でも…誕生日過ぎたらお酒飲んでみたい…かもです。」
「僕も興味はあるなぁ…」
「誕生日の日にみんなで飲んだら?」
小雪が明希と千秋にそう言う。
「明希の誕生日にはお酒用意して飲んでみる?」
「うん!」
恋の提案に明希が楽しそうに返事をした。
「まあ当日は無理だろうから翌日な。」
「?なんで?」
恋の言葉に小雪は首をかしげる。
「え、だって…ねぇ?」
恋はニヤニヤと笑って明希を見る。
琉にも言いたいことはなんとなくわかり、琉は翔也の方を見て笑う。
「あ、そっか。」
「そういえばまだだったな。」
千秋と紘も理解してクスクス笑う。
明希も話がわかったのか、カァッと頬を赤くする。
「…あー!婚姻届かぁ!明希ちゃんの誕生日待って出すとか言ってた、そういえば!」
小雪もハッとしてそう言った。
「ま、そういうこと。」
翔也は楽しそうにそう言う。
「当日は2人で楽しんでもらうとして、翌日は俺と千秋と一緒に過ごそ?」
「3人でいいの?!」
明希は勢いよく恋の方を向く。
「え…たまには…ダメかな…?」
恋は琉を、明希は翔也を、千秋は紘をじーっと見つめる。
「い…いいけど。」
「そうだね。でもあんまり人の多いところ行ったりしたらダメだよ。」
「好きにしていいよ。」
当然、ダメ?というような顔をされて、ダメ。と言えるわけもなく、見つめられた3人はそれぞれそう言った。
「…わかってたけどもさ、独占欲強すぎだよね、3人とも。」
「「え?」」
小雪にそう言われ、どこが?とは言えない、むしろ自覚のある琉たち3人であった。
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