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〜恋side〜
17時
「雨降りそう…」
ふと遥がそう呟き、恋も体を起こして窓の外に目をやる。
空は暗く、分厚い雲に覆われている。
こういう時は雷がなる。
「雷…」
「…赤津さんに早く帰ってきてくれるように連絡しておこうか。」
恋の不安そうな顔を見た遥がそう言ってくれたが、恋は首を振った。
「ダメ…迷惑…かける…」
「恋くん、熱計ってみて。」
遥は突然そう言い、恋は不思議に思ったが言われた通り熱を計る。
「どのくらいだった?」
「…37.8…」
昼に計った時は37.1だったので、少し上がっている。
「やっぱり…恋くん顔色悪いし、赤津さんには少し早めに帰ってきてもらおう?ね、恋くん。」
遥にそう言われたが、恋は素直に頷けない。
もちろん早く帰ってきてほしい。だが、それ以上に迷惑をかけたくなかった。
甘えてほしいと言われたが、そう簡単にできるものでもない。
「ほら、早く帰ってきた方が赤津さんも雨に降られなくて済むと思うしね!」
「…じゃあ…お願いします…」
「うん。ほら、横になってて。体楽にしてていいよ。」
遥に促され、恋はまたソファに横になる。
遥は洗濯物を入れるためにリビングを出て行った。
恋はまた睡魔に襲われる。
熱が出ているせいか、体が睡眠を求めていた。
恋はそれに抗うことなく、眠りについた。
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〜琉side〜
「琉、今日全部一発OKだったね!」
「おう。まあ恋のおかげだな。」
ドラマ撮影を終えた琉と翔也は着替えながら話をしていた。
スマホを取り出し、恋の様子を聞こうかと思っていたら遥から連絡が入っていて、琉は少し不安になった。
「どうした?」
「ん…遥さんから連絡きててさ。」
「なんだって?」
どうやら、恋の熱が上がってきて、雷がなるかもしれないと不安そうにしているらしかった。
琉は翔也にも画面を見せる。
「外雨降りそうなんだ。早く帰ってあげた方が良さそうだね。」
「買い物…はまた明日でいいか。」
「なんなら買って行ってあげようか?」
「いいのか?」
「いいよ。」
「じゃあお願いしたい。」
「買うものだけ後で送ってー。ほらほら、早く帰ってあげな。」
「おう、ありがとな。」
翔也にそう言われ、琉は急いで撮影現場を後にした。
外に出ると、もう分厚い雲が空を覆っていて、家に着くまでに雨が降り出しそうだ、と琉は思った。
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