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〜琉side〜
18時半
「わお。」
「おう、買い物ありがとな。」
「それは全然問題ないんだけど…それ、大丈夫なの?」
そう言う翔也の目線の先には布団を肩にかけて琉の服の裾を掴んだ恋がいる。
「ん、んー、まあ大丈夫。熱は37.9あるけど…」
「すっかり弱っちゃってるね…」
「あれ…」
「ん?どうしたんだ2人とも。」
翔也と玄関先で話していると、ドアの向こうに明希と千秋がやってきた。
「恋、昔から熱出すとプリン食べたがるから…夕方買っていこうって千秋と昼に話してたんです。翔也さんは?」
「琉に頼まれて買い出しー。」
「買い物して帰るって言うから珍しいと思ったらそういうことですかー!」
「恋、体平気?」
「うん…ありがと2人とも…」
「ゆっくり寝てなよ?」
「うん…」
「3人ともありがとな。」
琉は3人にお礼を言って荷物を受け取り、3人は帰って行った。
「プリンは夜にする?」
恋はこくりと頷いて、また琉に着いてくる。
「うどん作るから、そのソファで横になってな。」
恋は言われた通りにおとなしく横になって、じっと琉の方を眺めている。
うどんを作って持って行き、自分も隣に腰掛けた。
「琉さんもうどんですか…?」
「おう。うどん作るの楽でいいからな。」
そう言って笑えば、恋も少し笑った。
うどんを食べ終えて、少ししてからプリンを出してやると、恋の目が、キラキラとした気がして、琉はクスリと笑った。
甘いもの好きな恋らしい反応だ。
「食べな。」
そう言ってパッケージを開けてやり、スプーンを渡すと、まず一口、口に入れてふわっと笑った。
(可愛い…)
額には冷却シートが貼ってあり、肩に布団をかけて少しずつプリンを食べる恋は可愛らしかった。
「あ…ぅ…」
ふと、恋が琉をチラッと見て、プリンを見て、また琉を見て迷っている仕草を見せた。
「どうした?」
「琉さんも…食べるかなって思ったんですけど…熱移っちゃうかなって…」
熱のせいではなく、頬を赤らめた恋は俯いた。
琉はそんな恋の顎を持ち上げてチュ、と触れるだけのキスをして、触れた唇をペロッと舐めた。
「甘い。」
「あ…もう…移りますよ…」
恋はさらに顔を赤く染めて、耳まで真っ赤になっている。
「まあ恋の熱は移らないやつだけどな。」
「じゃあスプーンでよかったじゃないですか…」
そう言いながら恋はまたプリンを口に運ぶ。
「恋の口から食べたほうが美味しい。」
そういえば恋はぷうっと頬を膨らませて、琉をじとっとした目で睨んでくる。
もっとも、睨んでるなどと言えるような目ではないが。
「ほんと可愛いな。」
「うるさいです…」
顔を真っ赤にしながらも、幾分か元気になったような恋を見て、琉はホッとして微笑んだ。
この後夜寝るときに、一緒に寝よう、ぎゅっとして、だのと言ってきた恋が可愛すぎて、琉にとって看病は一つのイベントと化していたのは、恋には秘密だ。
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