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〜恋side〜
10月16日 10時
「なにその顔!!どうした?!」
「え、そんな、ひどいかな…」
昨晩は琉に抱きしめられながらだったからよく眠れたし、今朝は琉が作ってくれたタマゴ粥を食べた。
昨日までに比べたら顔色もいくらかマシだと思う。
「ひどいもなにも…目真っ赤で腫れてるし、クマすごいし…ちょっと痩せた?」
たった2日、まともに食事をとらなかっただけだったはずなのだが、どうやら自分が思っているよりひどいらしい。
「もしかしてこの前のこと…?」
明希に隠しても仕方ないと思い、素直に頷く。
「寝れなかったの…?」
「琉さんと…気まずく…なっちゃって、それでちょっと…」
「そっか…もう仲直りした?」
「うん。大丈夫。」
「そっか、よかった。」
明希はホッと息をついた。
「明希のせいじゃないからな。気にすんなよ。」
「うん、ありがと。あのさ…エッチとか、できそう?俺はさ、エッチ怖くはなんなかったけど…」
「…わかんない…けど…」
行為を思い浮かべると、どうしても3人に囲まれたことを思い出す。
恋はブルっと身震いした。
「やっぱり、怖い…?」
「…うん…怖い…かも…」
「…そっか…でも、琉さんなら待ってくれるだろうし、大丈夫だよ。」
「そう、かな…」
「体目当てで付き合ってるんじゃないんだから…琉さん、恋のこと好きだし待ってくれるって。翔也さんだって待ってくれてたし。」
「…そっか…」
「ちゃんと言いなよ?琉さんには全部話しといたほうが安心だろ?」
「うん…ありがと。…てか、今日はなんで来たの?」
「なんでって…まあ、なんとなく心配で。最近しょーとけーきでも恋あんまり話さないからどうしたかなって思ったんだよ。」
「あーごめん…ここ2日はスマホほぼ無視してた。」
「ま、でも顔よりは元気そうでよかったわ。」
「そんなにひどい顔してる…?」
「ひどい。」
即答する明希に恋は苦笑いした。
「あ、そうだ、今月の25日空けといてね。」
「25?そういや24も空けとけって翔也さんが…なんかあったっけ?」
ついこの前には明希の誕生日は今月だよね、と千秋に言われたのにすっかり忘れているらしい。
忘れているならまあいいか、と思い、恋は適当にごまかす。
「さぁ?」
「まあいいや。水曜は大学の講義なくなったし、木曜は夜なら。」
「わかった。じゃあ25日の夜は俺の家ね。琉さんたちはロケで遅くまで帰ってこないらしいから。」
「ふーん?」
「千秋も来るから。よろしく。」
「わかった。」
「詳しい時間はまた今度。」
「はいはーい。じゃ、俺は大学行くわ。」
「行ってらっしゃい。わざわざありがとな。」
「いーえー。」
明希が家を出て行き、少しすると今度は千秋がやってきた。これは約束していたものだ。
「うん、少しはマシな顔してる。いや、顔はひどいけど表情が明るいかな。」
「この前はありがと。千秋のおかげで琉さんと仲直りできた。」
「いえいえ。」
「あ、それで、買い物なんだけど、明後日とかどう?」
「うん、いいよ。」
「じゃあ家の前で会おう。ほんとごめんな。」
「気にしないで。今度は僕が迷惑かけちゃうかもだし…そうなったらごめん。」
「いいよ。お互い様ってことにしよう。」
恋がそう言って笑うと千秋も笑う。
「じゃあ、また明後日ね!」
「うん、また!」
千秋を見送り、リビングに戻ってソファに座る。
改めて、明希や千秋が友達でよかったと、しみじみと思う。
自分を心配してくれて、大切にしてくれる。
恋もまた、それを返したいと思うのだから、友情とは不思議で、温かいものだ。
「さて…久しぶりに掃除しよう。」
恋はぐっと伸びをして部屋の掃除を始めた。
その日、早めに帰ってきた琉に掃除しているところを見つかって、休んでろって言っただろ、と怒られてしまった。
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