アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*101
-
〜恋side〜
11月12日 10時
「お義母さん、今日は仕事で遅くなるので…夕食は大丈夫です。」
「あらそう…気をつけてね。」
今日は奏と煌は学校、隆文は出勤し、恋も出勤日だった。
琉の実家からだと、Rに行くには電車に乗った方が早い。
歩いても良いのだが、恋は電車に乗ることにした。
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
笑顔で送り出され、駅に向かい、電車に乗る。
平日の10時の割には混んでいて、それなりに人と体が密着した。
恋は扉に近い手すりに掴まり、立っている。
発車して少しすると、恋は尻に違和感を覚えた。
もうずいぶん前にされたきりだが、これは痴漢だ。
振り返ろうにも体が捻れない。
(…気持ち悪。)
恐怖というよりは、嫌悪感がものすごかった。
尻を揉みしだかれ、太ももを撫で上げられると、ゾワリ、と鳥肌が立つ。
「次は〇〇〜」
電車のアナウンスが、恋の降車駅を告げる。
痴漢の手を振り切るように降りた恋は、ため息をついた。
(…朝からなんなんだ…)
なんとなく気分の下がった恋は、気を取り直してRに向かった。
-----------------------------------------------------
〜琉side〜
「うーわ、ものすごい不機嫌。なんで不機嫌度上がってんのさ。もしかして迎えに行って断られた?」
朝から琉の元にやってきた翔也は琉の顔を見てそう言う。
「いや…昨日ちょっといろいろあって、迎え行ってない。今日行ってくる。」
「明希ちゃんが今日は恋くん仕事だって言ってたよ。」
「じゃあ夜だな…」
「あー…今日雷雨の予報でてるから気をつけて。恋くん怖がらせんなよ。」
「もうしないって。めっちゃ後悔してるし…あぁ…恋が足りねぇ…」
「なるほど、恋くん不足でその不機嫌か。」
「…いや、昨日ブチギレて多分そのせい。」
「は…?!誰にブチギレたの?!」
「愛海さん。」
「…お前さぁ…グループ敵に回してどうすんのさ…」
「恋を悪く言われて耐えられなかった。」
「はぁ…とにかく、一刻も早く仲直りしてこいよ。」
「おう。謝ってくる。」
この日、琉はまたブチギレることになるとは、思いもしていなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
298 / 832