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〜琉side〜
「んぶふっ!」
奏に呼び出され、仕事の合間に事務所の近くのカフェで紅茶を飲んでいた琉は、スマホを見ておもわず吹き出す。
「ちょっと兄さん、汚い。」
「いや、ごめん。あまりにタイムリーだったから。」
「なにが?」
一瞬、奏に見せてもいいものかどうか迷うが、スマホを奏に見せてやる。
「え、なにこれ。くそ可愛い。俺に送って。即転送。」
至極真面目なトーンでそう言う奏に、笑いが止まらない。
話がある、と言われて来てみれば、内容は恋愛相談。
それも今度の日曜に貴也とデートしたい、というもの。
それについて話をしていた時に恋からLINEが送られてきて、その内容が貴也の赤面写真だったのだ。
それも奏がプレゼントしたぬいぐるみで鼻から下を隠している。
奏は少し前から貴也が気になっていたようだが、これは貴也もまんざらでもないようだ。
「あーやばい可愛い。ロック画面にしたら変態だし…ホームにするか?」
ブツブツと呟きながら、琉が転送してやった写真を眺めて頬を緩ませる奏。
我が弟ながら変態だ、と思う。
「で、兄さん。デートどこがいいと思う?聞いたけどこれまたくそ可愛い答えが返ってきたんだよね。」
「なんて?」
「奏さんとならどこでもいい、だって。いやまじほんと可愛い。なんなのあの子。」
高3のこの時期に、こんなことをしていていいのかと突っ込みたいが、奏はすでに大学に合格している。
ので、真面目に答えるしかない。
「まあお前が連れて行きたいところに連れて行けばいいんじゃないか?」
「ホテル?」
「アホか。」
「今のは冗談。まあ手つないだりキスくらいはしたいけど…今時中2ならキスくらい当たり前でしょ。」
「4つも年上のくせに余裕ねえな。」
「兄さんに言われたくないね。」
「冬だから外の行楽地はなぁ…映画なんかどうだ?見たい映画があればだけど。」
「聞いてみるわ。」
奏はスマホを操作し始める。
「…わ、既読早いな。開きっぱなしかな。」
「恋たちと一緒にいるみたいだし、もしかしたら相談でもしてるのかもな。」
「たちって?恋さんだけじゃないの?」
「今日は明希くんと千秋くんとチョコフォンデュするって言ってたから、多分まだ一緒にいると思う。」
「女子かよ。可愛いな。」
「だろ。そこに貴也くんも多分いる。」
「うわ、超見たい。てか兄さんさ、恋さんたちのLINEグループの話の内容見たことある?」
「ないけど。」
「多分だけどめっちゃ可愛い会話してるよ。今度見てみな。」
「どうやって見るんだよ。」
「覗き見。チラッとなら見れるって。」
「ふぅん…まあ機会があればな。ま、お前も頑張れよ、初デート。」
「映画、いいって。やばい可愛い。見てよこれ。」
そう言って見せてきた貴也とのトークの最後は、貴也のスタンプで終わっている。
ウサギが喜んでいるようなスタンプは、可愛らしく、いかにも女子が好みそうなものだ。
「可愛いな。」
「映画、なにがいいかな。男の子だしアクション?ホラーもいいよなぁ。」
「冬にホラーかよ。」
「いや、よくない?ホラー。俺好きなんだよね。」
「そういうのは当日のお楽しみにでもしとけ。」
「はいはい。」
奏との話が片付き、琉は仕事に戻った。
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