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〜恋side〜
2月7日 19時
「「かんぱーい!!」」
久しぶりに6人で集まることになっている今日、一足先に恋、明希、千秋の3人は千秋の家に集合していた。
琉たちも19時にはやってくる予定だったのだが、仕事が長引いているらしい。
そこで、3人で先に乾杯してしまったのだ。
「やー、千秋、ほんとおめでと!!」
「ありがと。」
「昨日は紘さんとお祝いしたのか?」
「うん…ケーキ食べたよ。」
千秋はそう言って、恥ずかしそうに微笑む。
「あ、そういえば、明希、不妊治療するんだっけ?」
千秋がシャンパンを口にしながらそう聞く。
「うん。」
「辛いことあったら言えよ。」
「うんうん。僕たちでできることならやるし。」
「ありがと。とりあえず在学中は投薬するだけだから。4月から始めるんだって。」
「そっか…」
「旅行は決起会みたいなもんだな。明希の不妊治療と、千秋の新しい学校生活の。」
「決起会、いいねー。」
その後も3人で他愛ない話をしていたのだが、琉たちがなかなかやってこない。
暇を持て余した3人は、しょーとけーきのトークルームを開き、過去の会話を見返していた。
「あはは!これひどいよね。顔文字でしか会話してないんだけど。」
「俺が始めたのか。」
「恋がこの頃疲れてたんだね。」
「なんか人の出入り多いね。」
「あー、貴也くんとか奏くんとか呼んでたときな。」
「僕困ったんだから。傑と面識ないのにさ。」
ほろ酔いの3人はケラケラと笑いながらトークを見返す。
それに集中してしまっていたせいで、人が入ってきたことに気づかなかった。
「なーに見てんの?」
「「「え?」」」
目の前からみんなで見ていた明希のスマホが消える。
「明希ちゃんのスマホじゃん。」
取り上げたのは翔也だった。
「あっ、ダメダメダメダメ!!翔也さん見ないで!!閉じて!!返してぇぇぇ!!」
「そう言われると見たくなるよね。」
明希がピョンピョン跳ねて翔也からスマホを取り返そうとするが、全く届いていない。
「なにが見たらダメなんだ?」
「ん…?これ、3人のトークグループじゃないか。」
琉と紘も中を覗き込む。
3人がじーっと画面を見ているのを見て、恋たちは3人で顔を見合わせた。
しょーとけーきのトークの内容が、琉たちにバレてしまったのだ。
しかもしっかり最初から見ているようで、かなり恥ずかしい。
もはや取り返すことを諦めて、恋たち3人は身を寄せ合う。
最初は面白そうに見ていた琉たちだったが、だんだんと表情が変化してくる。
「なにこれ…めちゃくちゃ可愛いんだけど。」
「いつもなに話してんのかと思えば…こんなこと話してたの?」
「ほう…そりゃ中身を隠すわけだ。」
そして最後まで読み終わったらしい3人は、顔を上げてニヤリと笑う。
「りゅ、琉さん、こっちこないで。」
「な、なんかやばくない?」
「お、落ち着きましょう…?」
ジリジリと寄ってくる琉たちから、そっと遠ざかる恋たち。
恋たちはなぜか3人で手を繋いでいるのだから、琉たちを煽っているとしか思えない。
が、本人たちにそんな気は全くない。
「れーん。」
「明希ちゃん?」
「千秋。」
「「「…はい。」」」
順番に名前を呼ばれ、また、壁に背中がついて、3人は諦めた。
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