アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*177
-
〜琉side〜
「…はぁ…」
家に帰ってすぐ、琉はため息をついた。
恋はスキップでもしそうなくらい上機嫌で、鼻歌を歌いながらリビングに入っていく。
先ほど見たしょーとけーきのトークが、頭から離れない。
恋は琉の前ではなかなか本心を言わない。
それこそ、嬉しいことも、悲しいことも抱え込む性格だ。
泣くことは増えてきた方だが、まだまだ言葉にはしてくれない。
だから、寂しいだとかそういうことはなかなか言ってくれないし、好きだとか愛してるだとか、そういう言葉もなかなか言わない。
それがどうだ。
あのトークでは、寂しい、とか、琉さん好き、とか、当たり前のように話に上がっていた。
さらには自分があげたスタンプを使っていたり、可愛らしい顔文字を使っていたりと、とにかくいつもの恋からは想像がつかない。
1番驚いたのは、恋のテンションだ。
3人だけでいるところはなかなか見ることができないが、おそらく、トークをそのまま現実に起こしたような雰囲気なのだろう。
そして、琉が1番悶えたのは恋の誤字だ。
眠かったのだろう、テンションもおかしくなっていたが、誤字が多々あった。
明希によれば、それは昔からのようだが、可愛くてたまらない。
トークの内容もほのぼのとしていてなんとも可愛らしかった。
恋たちは恥ずかしくて隠していたようだが、もっと早くに知りたかったと思うほどだ。
先日奏が意味深なことを言っていたのを、今更理解した。
「琉さん、お風呂どうします?」
「明日休みだから、朝入ろうかな。」
「わかりました。」
相変わらず鼻歌を歌いながら諸々の片付けをしている恋。
恋と明希が千秋に抱きついていたから、何かいいことがあったのだろうが、あれも3人の可愛さを強調していた。
はっきり言って、今回の3人は琉たちを煽りまくっていたのだ。
「なぁ、恋。」
「はい?」
今はいつも通りの恋に、少しだけ意地悪をしたくなる。
明日が休みなのだから、今晩は一晩中離してやる気はない。
いつもとは趣向を変えて楽しもうと、琉はそう思った。
「あの、しょーとけーき、だっけ?3人のさ。」
「は、はい。」
トークの話を出せば、恋はぎくっとしたようだ。
「3人で話すの楽しい?」
「え、はい。そりゃもちろん。」
「なんか可愛い顔文字いっぱい使ってたな?」
そう言って、キッチンにいる恋を後ろから抱きしめる。
恋の耳が赤くなった。
「全方向うぇーいだっけ?」
度々登場していたその顔文字は、恋たちのテンションが上がっていた時に使用されていたものだ。
「あと、恋眠くなると誤字増えるんだな。」
そう言って、琉がクスリと笑うと恋の顔が真っ赤になる。
「あと…」
わざと耳元に口を寄せる。
「…寂しかったんだって?」
1人になる日は寂しい、と恋たちが話していた。
言ってくれればいいのに、とは思うが、それを隠しているのもいじらしい。
「そ、それは…」
恋が俯くと、うなじが無防備に晒される。
「あっ…?!」
そこに唇を寄せ、チュウ、と吸うと、赤く痕がついた。
「な、なにして…!」
パッと振り返った恋の頬は紅潮している。
「冬なんだし、タートルネック着れば見えないだろ?」
「そ、そういう問題じゃ…」
「寂しいんだろ?俺の印、つけといてやる。」
「そ、そういうことじゃないし…」
恥ずかしそうに目を逸らし、また前を向いた恋の首筋を舐める。
「ひあっ!」
「ふっ…敏感。」
わざとらしく耳元で囁く。
今日はとことんいじめてしまいそうだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
380 / 832