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〜琉side〜
恋たちをなんとか説得し、そのままの格好でパーティーにすることになった。
現在は、恋が料理の下準備をしているのを傑が手伝っていて、明希、千秋、貴也で席や飲み物などの準備をしている。
遥は薫がいるため、準備はしない、ということで恋たちが決めたらしい。
琉たちは、作ってもらった席に座り、彼らの様子を眺めていた。
先ほどは気がつかなかったが、恋、明希、千秋、貴也の服には、ご丁寧に尻尾まで付いている。
恋はフワフワとした丸い尻尾で、明希、千秋は細長い尻尾、貴也は短めの尻尾だ。
それを見た琉、翔也、紘、奏の4人が、悶絶して顔を手で覆ったのは、ほぼ同じタイミングのことだった。
が、今はそれすら観察の対象。
彼らが動くたびに揺れる尻尾が可愛らしくて仕方ない。
琉はふと、小雪が恋たちにプレゼントしていた部屋着を思い出した。
あれも尻尾がついていて、その夜は際限なく盛った記憶も思い出された。
(…今日はそれ以上の破壊力だな…)
今夜は全く止まれない自信があった。
そしてそれは、他の4人も同じことである。
「てか、俺は着替えても良くないですか?」
キッチンから振り返ってそう言うのは傑だ。
「傑くんも可愛いからいいじゃん。」
「翔也さんは明希がいるんだし、俺が可愛くある必要やいですよね?」
「みんなで遊ぼうって約束ですよ?!」
そう突っ込んだのは貴也だ。
格好のせいもあるが、子犬のような瞳を傑に向けていて、傑は観念した。
「…わかったよ…仕方ないな…」
「やったー!!」
貴也の尻尾が揺れているように見えるのは、琉だけではないだろう。
「よし、用意終わりました。まだ夕食には早いですけど…何か飲みます?」
「シャンパンも買ってありますよ!」
「お菓子もありますよ!!」
恋に続いて、明希と貴也にもそう言われる。
「じゃあせっかくだし、シャンパンあける?チョコレートとかチーズをつまみに。」
「いいな。千秋たちも少し飲むか?」
「はい。」
「奏くんと貴也はダメだからね。」
「わかってますよ。」
「わかってるし!」
「遥もまだお酒はやめておいでくださいね。」
「はいはい、鈴木先生。恋くん、薫を寝かせておきたいんだけど…」
「その小さなソファ、動かせるのでそれを。毛布持ってきますね。傑、シャンパンとグラス出しておいて。」
「わかった。」
みんながなんとなく動き始め、パーティーが始まる。
全員座ったところで、遥と奏、貴也はオレンジジュースで、それ以外のメンバーはシャンパンで乾杯した。
「ていうか今日の傑と恋が本当に夫婦なんだけど!」
「明希っ!!言うなって言っただろ!!」
「…へぇ、明希くん、その話詳しく聞かせて?」
恋がワタワタと慌てているのが面白くて、わざと意地悪くそう言う。
傑に怒る気は全くないが、嫉妬くらいはする。
今晩は少しお仕置きも兼ねなくては、などと琉は思った。
「いちいち行動が夫婦っぽかったんですよ。でも恋は琉さん大好きだから、言うなって言われて。」
ニヤニヤと笑いながら明希がそう言った。
「明希ちゃん、もう酔ってるの?」
「さすがにまだ酔ってないです!翔也さんひどいな。」
「明希、かなりテンション上がってるよね。」
「ったく…俺をネタにすんのはやめてほしい。」
「千秋も恋も嬉しいくせにー!」
そう言いながら、明希は千秋と恋をツンツンとつつく。
いちいち行動が可愛らしい。
鼻血が出そうになるほど興奮している自分にも驚きだ。
「…てか!!何で俺の席はここなんですか?!」
そう言ったのは貴也だ。
貴也は奏の膝の上に乗せられていた。
「じゃあ、翔也さんの膝の上行く?」
「それはダメ!翔兄さんの膝の上は明希さんの場所!」
「じゃあここでいいよね?」
「うっ…じゃ、じゃあ明希さんの上がいい!!」
「いいよ、おいでー!」
「明希さーん。」
まるで語尾にハートマークでもつくのではないかと思うテンションで、貴也が明希の膝の上に乗って、ぎゅーっと抱きしめ合う。
「…なんだろ、可愛くて許せる。」
「奏くんに賛成。」
「賑やかですね。遥も私の膝の上にきますか?」
「は?!なんでよ。」
「じゃあ恋も…」
「じゃあってなんですか?!」
「…紘さん、無言で見つめるのやめて…」
まだパーティーは、始まったばかりだ。
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