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〜恋side〜
「あー、薫くん可愛いなぁ…いいなぁ、子供欲しいなぁ…」
すっかり酔っ払った明希は饒舌で、薫を愛しそうに眺めながらそう言う。
「作ればいいだろ、翔也さんと。」
「簡単に言うなよー。俺だっていろいろ大変なんだからな…うぅ…」
「ちょ、おい、悪かったって、泣くなよ。」
スンスン鼻を鳴らして、目を潤ませる明希を、必死に傑がなだめている。
「…ちょっと待て。なんで俺はここにいる?」
ふと冷静になった傑はそう呟く。
「なんだよ、不満なのか?」
「恋、お前酔ってるだろ。」
傑にずいっと近づくと、そう言われる。
「酔ってない。俺たちと一緒は不満か?」
「そうじゃなくてさ…どう見たって攻めと受けに分かれてんじゃんこれ。なんで俺は受けなのさ。」
「傑さんってあれですよね!隠れビッチキャラ!」
「貴也、お前大声でそういうこと言うなよ。」
傑が貴也の頭をグリグリとすると、貴也が明希に手を伸ばす。
「こーら、傑、俺の可愛い義弟をいじめないでくれる?」
「あんまりいじめると奏くんにも怒られちゃうかもよ?」
千秋にまでそう言われ、傑はしぶしぶ貴也を解放する。
「そういえば、俺ね!少し勉強したんだよ!」
キラキラとした瞳で明希がそう言う。
遥はこちらの会話をニコニコと見守るのみだ。
少し頬が赤いから、酔っているのかもしれない。
「BLの!!」
明希がそう言った瞬間、少し離れたところでワインを飲んでいた琉たちが、それを吹き出したように見えたが、恋は気にしない。
「わーっ!明希さんも腐男子になってくれるんですか?!」
「うーん、そこまでハマらなかったけど…BLにも色々あるんでしょ?」
「もちろんです!奥が深いんですよ、BLは。」
「貴也くんみたいな子が受けになる作品も見たよ。」
「えっ。」
「腐男子受け、ってやつ!攻めの子にね、セックスされてアンアン喘いでた!!」
恋の視界の端で、吹き出す翔也と奏が映った。
「あ、明希さん!!声でかい!!!」
「明希も貴也くんも元気だね。」
「だな。」
恋と千秋はクスクスと笑い、傑は知らん顔をしている。
「んー、恋、シャンパン!」
「明希、もうやめとけって。」
「傑も飲めー!」
「そういえば傑全然飲んでないな?」
「…お、俺はいいんだって。」
「なんでだよ飲めよ。」
「恋、俺にグラスを押し付けるな。」
「傑はお酒嫌い?」
千秋がこてん、と首をかしげる。
「…嫌いじゃ、ないけど…」
「じゃあ飲もう飲もう!ほらほら、かんぱーい!」
半ば強引に明希がシャンパンを注ぎ、貴也にもオレンジジュースを注いで、6人で再度乾杯をする。
それから、恋、明希、千秋の3人で、じーっと傑を見つめた。
「…わかったよ飲めばいいんだろ!」
傑はグイッとグラスを傾け、一気にシャンパンを飲み干した。
「あーあ、飲んじまった…やばい…」
「ん?」
「なんでもない。」
傑が何かボソボソと呟いていたが、恋は聞き取ることができなかった。
「えへへー、なんか楽しくなってきたぞー!」
明希はそう言うと貴也にぎゅうっと抱きつく。
「いえーい!」
貴也がそれに全力で応えるから、お互いに抱き合って頬をすり寄せあっている。
「明希がすごい酔ってる。」
「だなー。これもう少ししたらエッチしたいって言い出すよな。」
「…そういうお前らも酔ってんだろ…あぁ、頼むから早く終われ…」
傑が困ったようにため息をつく。
恋は千秋と目を合わせてふふ、と笑った。
「零…俺、酔っちゃった。」
遥がそう言った瞬間だった。
「よしだめ!解散!!」
翔也がそう叫ぶのと同時に、琉たち5人が、一斉に片付けを始めた。
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