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〜琉side〜
「あぁ…あーやってまとまって座ってるだけでも可愛いなぁ。」
「全く同感です。あの格好のせいもありますが…雰囲気がフワフワとしています。」
恋たちを眺めながら、翔也と零がそう言い、琉たちもそれに同調する。
すっかり酔っ払ってしまっているのだろうが、やたらと誰かと絡んでいる彼らが可愛くて仕方がない。
正直、琉はもう限界が近かった。
「俺はもう限界なんだが。」
「紘さんもですか?俺もです。」
「紘さんも琉も、もう少し我慢して。」
「翔也さん、俺今日だけは貴也くんとエッチなことさせてもらいますね。」
「うん、今日だけは許可する。だからもう少し我慢しよう。」
「あれだけ楽しそうにしていると、水を差すのは気が引けますしね…」
零の言葉には確かに同感だが、我慢はしすぎると良くない。
恋を抱き潰してしまう予感しかしないのだ。
とはいえ、ワインを飲みながら彼らを眺めているのもまた楽しい。
明日は恋も琉も休みだし、今夜抱き潰してしまっても問題ないだろう、と開き直り、今は今で楽しむことに決めた。
「明希ちゃん明日学校ないし…俺も仕事はないし…よし、問題ないね。」
「俺も明日は夜勤ですから、心置きなく遥を抱けます。」
「明日は午後出勤に調整してもらって正解だった。」
「…みんな仕事の調整しすぎでしょ…」
考えることは皆同じ。ここまで可愛いところを見せつけられれば、一晩中抱ける自信があるのだ。
「そういえば、俺ね!少し勉強したんだよ!」
ふと耳に入ってきた会話に、琉たちも耳をすませる。
「BLの!!」
まさかそうくるとは思わず、ワインを口にしていた琉、翔也、紘、零は吹き出した。
それからもさらに、明希の爆弾発言は続く。
「貴也くんみたいな子が受けになる作品も見たよ。」
「えっ。」
「腐男子受け、ってやつ!攻めの子にね、セックスされてアンアン喘いでた!!」
この発言には翔也と奏が思い切り吹き出し、ゴホゴホとむせる。
明希は酔っ払うと、どうもオープンになる節がある。
恋から聞いた話だが、酔うとエッチがしたくなってしまうらしい。
「あ、明希さん!!声でかい!!!」
貴也がぎゃー!と慌てていて、奏は口元を押さえる。
「やばい、鼻血でそう…」
「奏くん、俺の弟が苦労かけてごめん。」
ポン、と奏の肩に手を置いた翔也に、琉と紘が吹き出して笑う。
一方の恋たちは、今までほとんどお酒を口にしていなかった傑にシャンパンを飲ませたようで、キャッキャッと盛り上がっている。
「えへへー、なんか楽しくなってきたぞー!」
明希はそう言って貴也にぎゅうっと抱きつく。
それをみた琉たちは、全員顔を見合わせた。
そろそろまずい。
「いえーい!」
「明希がすごい酔ってる。」
「だなー。これもう少ししたらエッチしたいって言い出すよな。」
「…そういうお前らも酔ってんだろ…あぁ、頼むから早く終われ…」
傑が困ったようにため息をつき、それを見た恋と千秋が可愛らしく微笑む。
そして極め付けがこれだ。
「零…俺、酔っちゃった。」
零が頭を抱え、翔也がスゥ、と息を吸い込む。
「よしだめ!解散!!」
翔也がそう叫ぶのと同時に、琉たち5人は一斉に片付けを始める。
「それでは、俺たちはお先に。このフードは後日紘さんにお返しします。」
「恋くんたち、またね!」
ひらひらと手を振り、ふにゃぁ、と微笑む遥を連れて、零が1番先に帰っていく。
「翔也さん、弟くんお借りします。」
「えっ、え?!」
「本番はダメだよー。」
翔也に手を振られて見送られ、奏が貴也を連れて出ていく。
「傑くん、1人で帰れる?」
「あー、なんか、家族が迎えよこしてくれるって、今言ってるんで、大丈夫です。」
「じゃあまた。」
「傑、また旅行でなー!」
続いて傑も家を出ていく。
少し足がふらついているが大丈夫だろうか。
「さて、明希ちゃんも帰るよ。」
「帰る帰るー!」
「千秋、帰るぞ。」
「うん。」
紘と翔也も千秋と明希を連れて、家を出て行った。
解散が決まってから、すぐに全員が帰って行き、残された琉と恋の間には、少しの沈黙が流れる。
「恋、こっちおいで。」
長い長い夜は、まだ始まったばかりだった。
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